朝鮮実録ひもとき
「たばこ1駄(馬一頭に載せられる量)で監察官の地位も買えた」
ネチズン「ついでに焼酎の価格も比較しろ」
国家記録院がツイッターで朝鮮王朝時代のたばこ価格を紹介し、新年から2000ウォン(約220円)上がったたばこの値段について「この程度なら妥当な価格」と書いていた事実が8日知らされ物議を醸している。 ネチズンたちは「よりによって朝鮮時代とたばこの価格競争をしようというのか」と批判している。
国家記録院は昨年12月30日、ツイッター(@k_archives)に「朝鮮王朝時代のたばこの値段はどれくらいだったのだろうか? 一気に80%上がって喫煙者たちの不満が大きいようですが。朝鮮王朝時代にはどれくらい高かったのか、この程度なら妥当な価格と言えます。たばこの歴史 国家記録院ニュースレター12月号が紹介しました」という文を載せた。
国家記録院が紹介したニュースレター12月号には、「朝鮮王朝時代たばこ1駄(馬一頭に載せられる量)あれば監察官の地位も買えた」という題の記事が載っている。さらに、朝鮮王朝実録の内容を抜粋して朝鮮王朝時代に王が禁煙政策のためにどれほど腐心したかを書いた。
記事内容をみると「勤務中の喫煙が主要な弾劾理由の一つであった」(『仁祖実録』 19巻)、「たばこの歴史と吸引方法、喫煙の理由と毒性」(『仁祖実録』 37巻)などが整理されている。続いて勤務中にたばこを吸って摘発され、島流しにされた官僚の話(『正祖実録』 21巻)と王室祭事の時は王が承旨(承政院に属した正三品の官職)と執事にたばこを吸わないことを指示した記録(『粛宗実録』 8巻)も紹介されている。
国家記録院は『粛宗実録』6巻を紹介して「武人ソチがタバコ1駄を吏曹判書の婿にわいろとして与え監察官に任命され、執義のアン・ウイソクは金を与えて官職を得たので削奪しなければならないという内容」とし「1駄を現在の価値に正確に換算することはできないが、種々の事例から見て相当な価格であることは確実だと思われる」と書いた。さらに「タバコの有害性と禁煙の正当性は早くから全ての民が知っていた」として「朝鮮の王も勤務中にタバコを吸った禁軍長(正三品の位)を流罪に処して、密貿易で摘発されれば斬首刑に処して退治しようとしたが、タバコをなくすことはできなかった」と書いた。「政府の予想を上回る禁煙で税収が多少不足したとしても、より多くの国民が禁煙に成功し、一層元気で幸せな国になることを祈る」と書いた。
ネチズンたちは「タバコの値上げ幅とその理由を納得しかねる状況で、朝鮮時代と比較するとは話にならない」と強く批判している。 国家記録院が上げたツィットにメンションを送った利用者“@jec0505”は、「タバコの値段が単に高いというのではなく、非常識なほど税金を急に大幅に上げたことが問題だと言っているのに、単純に朝鮮時代と比較して現在の価格に問題ないと言うとは開いた口がふさがらない」と指摘した。 また別のツィッター利用者“@horror_ah”は、「朝鮮時代にタバコを吸えた人々がどんな人々か考えてみなさい。 その当時、タバコは両班(ヤンバン)階層と巨商だけのぜいたく品ではなかったですか? ついでに清酒、いや焼酎の価格も比較してみては? ハハハ」と皮肉った。 匿名を要求したあるツィッター利用者は「こんな広報で“税収増大の一助となる。国家記録院が先頭に立って公務員年金改革および月給自主返却して多くの国民が幸せな国になることを願う」と書いた。
国家記録院は物議が起きると8日午後に該当ツィットを削除した。