本文に移動

電子たばこにも発ガン物質? 実態調査もせず規制に乗り出す韓国政府

登録:2015-01-06 19:53 修正:2015-01-07 05:55
電子たばこは現在全世界で30億ドル(約3600億円)程度の市場を形成していて、今後大幅に増える傾向だ。 一部の電子たばこ会社が宣伝しているように全く無害ではないものの一般たばこに比べればはるかに毒性が弱い。ウィチイシガレット提供。 //ハンギョレ新聞社

「禁煙補助材として広報・販売する行為」に対して
取り締まりの意志を明らかにしたが…
たばこ4000ウォン時代…
電子たばこ消費者の増大に合わせて措置の疑い
有害性主張の根拠に3年前の研究結果を挙げる

 韓国政府は電子タバコにも一般タバコと同様にホルムアルデヒドなどの発ガン物質が入っているとし、これを禁煙補助材として広報したり販売する行為を積極的に取り締まると明らかにした。 価格が大幅に上がった一般たばこの代替材として電子たばこを求める喫煙人口が多くなったことに伴った措置と見られる。 しかし政府は、電子たばこの有害性を主張する根拠として3年前に行われた“古い研究結果”を挙げているうえ、電子たばこの販売形態に関する実態調査もせずに取り締まりの方針を明らかにしたためにひんしゅくを買っている。

 保健福祉部は6日、電子たばこの有害性に関する説明会を開き、市中で販売されている電子たばこの蒸気からもホルムアルデヒドとアセトアルデヒド、たばこ特異ニトロソアミンなどの発ガン物質と中毒物質であるニコチンが検出されたと話した。 たばこの葉を燃やして“煙”を吸入する一般たばことは違い、大多数の電子たばこは液状のたばこ物質に熱を加え、そこから出てくる“蒸気”を吸入する方式だ。

 福祉部がこの日発表した「電子たばこ気体状有害性評価政策委託研究」(公州大産学協力団)の結果によれば、電子たばこ蒸気のニコチン含有量は平均1ミリグラムで、同じ吸入量(1本・10回吸入基準)の一般たばこ(平均0.66ミリグラム)と比較して約50%多いことが分かった。 ニコチンの成人致死量が35~65ミリグラムである点を考慮すれば、ニコチン含有量が最も高い電子たばこ(2.2ミリグラム)を一気に150回程度吸入すれば致死量に至るという話だ。電子たばこの蒸気に含まれるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドなどの一級発ガン物質は一般たばこより低かった。

 ただし今回の調査は韓国国内で流通している電子たばこ用ニコチン液105種のうち相対的に濃度の高い30種を対象になされ、電子たばこが一般化される以前の2012年に行われた研究結果だという点で、大きな意味を付与することには無理があると見られる。 また、今回の調査・研究は喫煙者が吸い込む蒸気のみを対象にしており、外に吐き出す蒸気の有害性、すなわち電子たばこの間接喫煙弊害については言及していない。

 国会保健福祉委員会所属のキム・ヨンイク議員(新政治民主連合)は、福祉部の性急な電子たばこ規制方針に対して「電子たばこの販売過程で虚偽・誇張広報があるならば当然に取り締まるべきだが、それに先立ち市中で販売されている製品の有害性有無と使用および販売実態に対する綿密な調査が先行しなければならない」と指摘した。

チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/672334.html 韓国語原文入力:2015/01/06 16:26
訳J.S(1447字)

関連記事