「パク・ハンチョル、イ・ジョンミ、イ・ジンソン、キム・チャンジョン、アン・チャンホ…」。19日午前10時35分、ソウル鍾路区(チョンノグ)斎洞(チェドン)の憲法裁判所大審判廷。パク・ハンチョル憲法裁判所長が統合進歩党解散側に立った裁判官の名前を順に読み上げた。6人以上なら解散が決定される。「カン・イルウォン、ソ・ギソク、チョ・ヨンホ」。 解散認容意見を出した裁判官が5人を越え、何と8人に達すると傍聴席からはため息がもれた。イ・ジョンヒ統合進歩党代表とオ・ビョンユン、イ・サンギュ、キム・ジェヨン議員の表情が固まった。
パク所長が「統合進歩党を解散し、所属国会議員は議員職を喪失する」という最後の主文を読んだ瞬間、傍聴席にいた民主社会のための弁護士会クォン・ヨングク弁護士が「民主主義を殺した日です。歴史の審判を受けるだろう」と叫んだ。 パク所長が一瞬言葉に詰まった。 傍聴席のあちこちから「8対1ってどうなってるの?」、「ここが憲法裁判所なの? 狂ってる…」、「朴槿恵侍女」のような激しい言葉があふれた。
同じ時刻、憲法裁判所近くの現代グループ桂洞(ケドン)社屋の向い側で、大型スクリーンで生中継される憲法裁判所の決定を見守っていた統合進歩党党員約400人は首をうな垂れた。「1987年6月の民主抗争で誕生した憲法裁判所も権力の侍女だった」。マイクを握った人は絶句した。 憲法裁判所決定後、統合進歩党党員たちの集会会場を訪れたイ・ジョンヒ代表は「憲法裁判所が虚構と想像を動員した判決で、全体主義のかんぬきを開いてしまった。暗黒の時間が再び始まろうとしている」と話した。
反面、この日朝から憲法裁判所近くの安国(アングク)駅周辺歩道と車道の一部を占拠して「統合進歩党解散」を叫んでいた保守・極右団体会員約500人は、解散決定の知らせに「大韓民国万歳」を呼んだ。会員らは憲法裁判所前に移動しようとしたが、それを阻む警察と小競り合いを起こした。 これに先立って警察は、統合進歩党党員と保守・極右団体会員間の衝突などに備えて、16個中隊1200人の警察官を憲法裁判所周辺に配置した。
憲法裁判所の決定に対し、主要市民社会団体は批判声名を出した。 参与連帯は「民主的基本秩序と憲法精神を否定した憲法裁判所ならば存在する意味がない」と批判した。 国際アムネスティは「韓国政府が国家安保を口実に野党の政治家たちを弾圧し、表現の自由を萎縮させている」と述べた。 反面、保守市民団体である正しい社会市民会議は「憲法守護機関の厳重で実効的な措置」と評価した。
スマートフォンや主要駅待合室のテレビで憲法裁判所決定を見守った市民の意見は交錯していた。 チェ・テフン氏(55)は「国民が選んでいない憲法裁判所が(一部の)国民が支持する政党を解体した。 その政党を支持して票を投じた国民まで違憲的国民か」と批判した。 大学院生キム・ジホ氏(32)は「自分と考えが違うからと政党を解散させられるのか。 今後どんな政党も政府と憲法裁判所によって解体されうるという先例を残したという点で、民主主義の後退」と指摘した。 反面、大学生シン・ジュヨン氏(24)は「議会に進出した政党が反国家的考えを持っているならば、国家の安全に大きな威嚇となりうる。 国民がすでに統合進歩党に下した政治的死亡宣告を憲法裁判所が再度確認したに過ぎない」として憲法裁判所の決定を喜んだ。