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朴大統領の「悪い人」発言で文化体育観光部幹部を“標的監察”

登録:2014-12-08 22:01 修正:2014-12-09 06:35
金淇春(キム・ギチュン)秘書室長が7日、大統領府で開かれたセヌリ党指導部と予算決算特別委員会委員らとの昼食で、金武星(キム・ムソン)代表の挨拶の言葉を聞いている。イチョンヨン記者//ハンギョレ新聞社

民政首席室、上層部ラインの指示を受け
局・課長 職務態度について異例の調査
「更迭する程の問題は無かったが
上の望み通りに報告書を上げる」
大統領府“上層部ライン”疑惑が増幅

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が、チョン・ユンフェ氏が関与したという疑惑が提起された文化体育観光部(文体部)の局・課長人事を直接指示した事実と関連して、朴大統領の指示がある前に大統領府民政首席秘書官室がいわゆる“上層部ライン”の指示を受けて、該当する文体部幹部に対する“標的監察”を行っていたことが確認され、問題になっている。 今回の「チョン・ユンフェ氏国政介入動向報告」の文書(民政首席室傘下の公職規律秘書官室が作成)波紋で明らかになったように、今まで大統領府民政首席室が親戚・高位公職者の監視と民心把握など固有の業務から逸脱し権力暗闘の道具になったり密室・秘線人事の窓口機能を果たしてきたのではないかという批判も高まっている。

 大統領府に勤めたことのある与党関係者は8日『ハンギョレ』との通話で「『体育界の不正について調べろ』と上から突然(文体部担当局長に対する)調査指示が下りてきた」として「指示を出したのがキム・ギチュン秘書室長なのか、ホン・ギョンシク民政首席なのかは定かでない」と話した。 この関係者は「それで、総理室傘下の公職者倫理支援室にお願いして受け取った監察結果を報告した」としながらも、報告内容はささいなことは別にして「特別なことはなかった」と伝えた。

 さらに別の前職大統領府民政首席室勤務者の証言を総合すれば、昨年朴大統領が文体部の局・課長の更迭人事を注文する前に、これら文化体育観光部の幹部を名指しした“上層部ライン”の監察指示があったし、実際に民政首席室はこれに伴い、該当幹部に対する報告書を作成したという内容はほとんど一致している。 ただし当初の指示が秘書室長だったのか、付属室なのか、あるいは朴大統領が直接したのかに対しては明らかになっていない。 しかしこのような証言は、大統領府上層部では該当する文体部幹部に関する情報を既に何者かから伝達されていて、事実上“型にはめる”ためのものだったことを示している。

 大統領府は局・課長2人に対する監察を指示する前に、2人に直接乗馬協会に対する調査を指示していた。 当事者である文体部のノ元局長は先月ハンギョレと会い、「教育文化首席秘書官室の行政官が担当課長に電話をかけて(チョン・ユンフェ氏と親密であると知らされた)乗馬協会のパク元専務に会って話を聞いてみなさいという指示が下りてきた」と話していた。 これら局・課長が行った乗馬協会に対する調査内容と、以後に2人に対して大統領府の上層部から始まった監察は関係なくはないということを示す内容だ。

 文体部の局・課長に対する民政首席室の監察以後の過程も疑問だらけだ。 大統領府と文体部側の説明を総合すると、実際に監察は進行されたが、対象の局・課長の明確な不正や癒着関係は確認されなかった。 大統領府の下命監察が効果を上げることはできなかったわけだ。

 大統領府は朴大統領が彼ら幹部に対する左遷人事を指示した理由について「当時『体育界の不正清算が振るわないのは、担当幹部公務員たちの消極的で安易な対処のため』という民政首席室報告を受け取った」と明らかにしたことがある。 だが、公職規律秘書官室が“不正監察”でもなく、公務員の“消極的、安易な対処”を指摘することはきわめて珍しいだけでなく、所管業務と見ることもできない。 該当局長は実際に内部評価では最近2年間それぞれ最高等級であるS(優秀)と、すぐその下のA(良好)等級を受けていたという。

 それでも朴大統領がなぜユ・ジンリョン元文体部長官に「悪い人だそうだ」と言及して、人事措置をしたのかは相変らず解けない疑惑だ。 ある監査機関関係者は「民政首席室の報告書は“悪い人”のような(抽象的な)単語を使って報告しない。 誰かから伝え聞いた話だろう」と分析した。

 この他に大統領府説明通りなら、朴大統領が特定部署の局・課長を対象に“消極的で安易だ”と上がってきた異例な大統領府民政首席室の報告書の背景もよく分からない状態で、事実上文体部の局・課長人事措置を指示したことになる。 納得しかねる内容だ。

ソク・ジンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/668052.html 韓国語原文入力:2014/12/08 19:45
訳J.S(1985字)

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