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朴槿恵政権の密室人事が“秘線勢力”を育てた

登録:2014-12-03 22:43 修正:2014-12-04 12:23
ブーメランに当たった朴大統領の統治スタイル

 チョン・ユンフェ氏と“大統領府3人組”の国政介入疑惑に火が点き、朴槿恵(パク・クネ)大統領の統治スタイルの問題点が改めて指摘されている。

 非公式ラインに頼って情報を得て、これに基づいて意志決定を下すだけでなく、保安第一主義による密室人事、不透明な意志決定方式などが今回の“チョン・ユンフェ国政介入疑惑事件”を招いた土台になったということだ。 “チョン・ユンフェ文書論議”で明らかになった“非公式ラインの権力闘争”の原因も、結局は不透明な朴大統領特有の業務処理方式から始まったと見ることができる。 執権2年目にして与党からレイムダックを憂慮する声が公開的に出ている状況だ。

大統領秘書室組職図//ハンギョレ新聞社

 チョン・ビョングク セヌリ党議員は3日午前、国会で開かれた党最高委員・重鎮議員連席会議で「歴代政権でも秘線権力の実力者の問題はあったが、原因は公の組織機能がまともに作動しなかったためだ。 国政運営全般が透明でなく、疎通がうまくいっていなければ秘線が台頭する」として「それで大統領のレイムダックが始まる歴史的現実を見てきた」と話した。 野党からは朴大統領の人事スタイルが根本的な問題という指摘が出た。 チョン・セギュン新政治民主連合非常対策委員はこの日午前、非常対策委会議で「帝王的人事、無検証人事が内部の権力争いの端緒になって、ブーメランになって戻ってきたのが“チョン・ユンフェ ゲート”の実状」と話した。 “人事が万事”という金泳三(キム・ヨンサム)元大統領の話のように、人事を左右する力が最も大きな政治権力だ。 権力闘争は人事から始まる。

 非公式ラインを通した人事および意志決定に対する問題提起は、大統領候補時期からすでに始まっていたし、特に政権引継ぎ委員会人事の時から本格化した。 朴大統領自ら“保安”を極度に重視するせいで、公開的で透明なシステムにともなう人事ではなく“びっくり人事”を行う場合が多かった。 どんな手続きと過程を踏んで人事をしているのか分からないから“秘線背後説”が出回った。 不十分な検証のせいで主要人物が落馬した時、人事の失敗に対する責任を問うべきなのに、推薦経路が分からないからこれに対する責任を問うこともできなかった。

総理候補などは側近を通じて意志打診
発表直前まで与党代表は知らない
「国政で疎通が出来なければ秘線が台頭」
チョン・ビョングク議員など、与党からも憂慮の声

3日午前、朴槿恵大統領に随行したアン・ボングン大統領府第2付属秘書官が、光州空軍飛行場から車両のほうに移動している。光州/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴大統領の“1号人事”であるユン・チャンジュン前業務引継ぎ委員会・大統領府報道官が“暗闇人事”の始まりだった。 極右の論客で物議をかもしたユン前報道官を業務引継ぎ委員会首席報道官に抜てきすると政界では誰が推薦したかを巡りあらゆる風説が飛び交ったが、朴大統領もユン前報道官も何も説明しなかった。 ユン前報道官がキム・ヨンジュン業務引継ぎ委員長らの引継ぎ委員名簿を発表した場面は、朴大統領の人事スタイルを象徴的に見せた。 テープで密封した茶色の書類封筒を取り出して、ユン前報道官は「人事はやはり保安が重要な事項なので、今皆さんの前で公開する」と話したが、彼はその中に入っていた書類に書かれた内容以外には何の話もできなかった。 党内からは、朴大統領の指示を受けていわゆる“3人組”がこの書類を作成したことという話が出た。

 初代の総理候補者であるキム・ヨンジュン前引継ぎ委員長の指名は、発表直前までファン・ウヨ当時セヌリ党代表さえ知らないほどであった。 人事聴聞会の準備に党・政府・大統領官邸が歩調を合わせなければならないので、総理や長官候補者の場合には与党代表の意見を聞いたり、少なくとも公式発表前い言質でも与えるのが普通だが、そうではなかったのだ。 保安の中で指名されたキム候補者は、息子の兵役問題、不動産投機疑惑など道徳性論議を起こしたあげく5日後に自主辞退した。 朴槿恵大統領府の“落馬1号”であった。

 朴大統領が人事で公式的で公開的な手続きを好まない姿は、その後も繰り返された。 セウォル号事故で辞意を表明したチョン・ホンウォン総理の後任として、6月に指名されたアン・テヒ前総理候補者の場合、朴大統領の側近であるチェ・ウェチュル嶺南大学教授がこのような事実を伝達したという。 正常な人選手続きであれば、キム・ギチュン秘書室長が疎通の窓口であるべきで、朴大統領は私設ラインを通じて総理内定の事実を通知したわけだ。

 保安を重視する結果、当事者にすら発表直前にその事実を知らせた事例も少なくない。 ファン・チョルジュ前中小企業庁長内定者は、株式白紙信託制度のために指名されて僅か三日後に辞退したが、彼は人選発表の前日に人事検証に必要な身元照会に同意してほしいという連絡を受けたと伝えられている。

 問題はこうしたことが繰り返されえいるにもかかわらず、朴大統領の改善意志が見られないという点だ。朴大統領は6月に大統領府人事首席室の新設を約束し、7月にチョン・ジンチョル人事首席秘書官を任命した。 だが、人事主席はキム・ギチュン秘書室長が委員長である大統領府人事委員会の実務幹事の役割を務めているに過ぎず、行政官僚出身であるチョン主席が朴大統領に“直言”することは難しいという予想が少なくない。 2012年セヌリ党非常対策委員長時期に非常対策委員の人選内容が知らされると「おっちょこちょいがペチャクチャ言っているが」と言った朴大統領の認識が変わらない限り、「秘書には口がない」として、上司の命令に絶対服従する人だけが朴大統領の周辺に存在する限り“システム人事”は望むべくもなく、秘線権力論議は続くと言わざるを得ない状況だ。

チョ・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/667410.html 韓国語原文入力:2014/12/03 20:17
訳J.S(2461字)

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