乗馬協会を調査した高官を更迭
文化体育観光部と乗馬協会関係者が証言
チョン氏の娘に特恵、影響力行使した疑い
現政権の“隠れた実力者”と知られたチョン・ユンフェ氏(59)とその妻が政府部署の監査活動と人事に介入した具体的な状況が明らかになった。その過程で朴槿恵(パク・クネ)大統領が該当部署に対する具体的な人事に直接関わったという証言もされた。
2日、『ハンギョレ』が文化体育観光部(文体部)と乗馬協会の前・現職関係者などを取材した結果を総合すると、チョン氏夫妻は乗馬選手の娘の全国大会および国家代表選抜戦などをめぐる特恵問題が起きると、大統領府と文体部を通して乗馬協会に対し大きな影響力を行使したと多数の乗馬協会関係者が主張した。特に文体部は、昨年5月から大統領府の指示で前例のなかった乗馬協会に対する調査・監査に直接行った。チョン氏夫妻は文体部の調査が思うように進まないと、その年の9月に調査の主務を任された文体部局長と課長に対する左遷性人事に介入し、その人事に朴大統領が直接関わったのだという。
匿名を要求した文体部関係者は「乗馬協会に問題があるので調査せよとの(大統領府)指示が下された。文体部では「大統領府はこんなことまでさせるのか」と思いながら(調査を)してみたところ、チョン・ユンフェ側にも反対側にも問題が多く、双方とも洗いなおす必要があると(大統領府に)報告をした」と明らかにした。
ところが、報告を受けた大統領府はなぜか乗馬協会を調査したノ体育局長とチン体育政策課長の左遷性人事を要求したという。当時の人事過程をよく知るある人物はハンギョレと会い、「朴大統領が直接、担当局長と課長の人事権者である当時のユ・ジンリョン文体部長官に二人の名前をあげ、人事措置を要求したと聞いている」として「あんなふうに文体部で体育局長と体育課長がいっぺんに更迭されのは前代未聞のことなので、文体部や体育界で話題になった」と話した。
この関係者はさらに「チョン・ユンフェ氏が直接朴大統領に話をしたのか、でなければチョン・ユンフェ氏がいわゆる3人組を通じて話をしたのか知らないが、いずれにしても当時の乗馬協会関連の監査指示や人事こそ(チョン・ユンフェ氏が国政に)影響を及ぼしていたという確実な証拠に思える」と付け加えた。
文体部の調査と監査を通じてかなりの数の地域協会長が交替させられた乗馬協会側でも、チョン氏夫妻の専横に対する不満が続出している。乗馬協会のある高位役員は「チョン・ユンフェ氏夫人の勢いがあまりにも強く、今は(チョン氏夫妻が)不正で投獄されたことがある人物を通じて乗馬協会の行政を支配している」と話した。今年4月の国会の対政府質問で新政治民主連合のアン・ミンソク議員は「チョン・ユンフェ氏の娘の乗馬国家代表選抜過程に特恵疑惑があるが、乗馬界に見えざる黒い勢力が介入したとの疑惑も提起されている」として「大統領府の指示で体育団体に対する特別監査を推進し、(チョン・ユンフェ氏が大統領府に伝達した)リストに上がった人たちに辞退の圧力がかかった」と主張したことがある。
チョン・ユンフェ氏は2日、ハンギョレとの電話通話で「(文体部局長と課長の左遷性人事に関連して)それも捜査中にあるが、私は知らない人たち」と介入疑惑を否定した。娘のことなので当時夫人が行ったのではという質問にチョン氏は「それは分からない。ただし私が直接そんなことをしたことはない」と反論した。
韓国語原文入力:2014.12.03 01:32