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嫌韓が吹き荒れる日本出版界に立ち向かう『週刊金曜日』

登録:2014-11-02 22:21 修正:2014-11-03 07:11
『平和』を考える図書展
東京千代田区神保町のある建物で1日午後に開かれた「戦争前夜 本の街で『平和』を考える」図書展を訪問した日本の市民たちが、展示された本を見ている。 //ハンギョレ新聞社

嫌韓に対抗し「平和・人権を取り戻そう」をスローガン
出版社23社が集まり良い本を発掘・紹介
「敗戦後の反省に対する国民の議論が不足」
市民1000人「ヘイト反対」東京行進も

 秋雨が降った1日午前、東京の代表的書店街である神田では、今年で55回目を迎える‘神田古本祭り’が開かれていた。 人波をかきわけて日本の代表的な書店「三省堂」に立ち寄り、先週のベストセラー目録を確認してみた。 ‘嫌韓熱風’を反映するかのように産経新聞社が『朝日新聞』の慰安婦関連報道の嘘を討つとして出版した『歴史戦』が人文書籍2位、既存の嫌韓書籍とは次元が違うという点を強調した新たな嫌韓書籍である『哀しき半島国家 韓国の結末』が新刊書籍部門で1位を記録していた。

 日本の出版業界関係者は、書店街の嫌韓熱風に対してどう思っているだろうか。 返事は、三省堂から歩いて3分の距離にある神保町のある建物で開かれた「戦争前夜 本の街で『平和』を考える」図書展で確認できた。 この日の行事は「言語の力で平和と人権を取り戻そう」というスローガンの下、日本の進歩週刊誌『週刊金曜日』が中・小規模出版社23社を呼び集めて開いた一日図書展だった。

 行事会場で会った北村肇『週刊金曜日』社長兼発行人は「日本の書店には過去の歴史を歪曲する単行本や雑誌が氾濫している現実を、出版業界がどのようにすれば変えられるか考えた末に今回の企画展を開くことにした」と話した。 3月にはこれとは別に「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」が結成され、最近『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』という本を出すなど、嫌韓熱風に対する真剣な反省が進行中だ。

 北村社長は、日本で嫌韓熱風が続く原因を「1945年8月の敗戦以後、過去の侵略戦争に対する反省と平和国家樹立に対する国民的議論がなされなかったため」と話した。 そうした状況で米国の力に頼り、受動的に社会改革が進行され、侵略戦争を否定する勢力が生き残ったし、彼らが1980年代後半から力を増し2012年末の安倍政権スタートで「毒の花を咲かせた」というのだ。 彼は「日本の左派陣営も中国や韓国に対して優越感を持っていたために、彼らと手を握って協力しようという認識が不足していた」として「そのような意味で右派や国家主義者を批判するだけでは不十分だ」と指摘した。

今回の行事を企画した北村肇『週刊金曜日』社長兼発行人//ハンギョレ新聞社

 この日の企画展は、嫌韓熱風の中で読者に無視された良い本を発掘し紹介することだ。 行事会場の一方の壁には、先月29日に発行された『週刊金曜日』の「従軍慰安婦問題」特別号が展示されていて、出版社別に分かれた図書台の上には主な懸案である△慰安婦△憲法9条△ヘイト スピーチ△集団的自衛権△脱核△沖縄問題などに関する多様な書籍が展示されていた。 行事会場の一画では意味ある本を読者に知らせ購買を誘導するための講演も行われた。

 韓国人・朝鮮人に対する人種差別を助長する‘ヘイト スピーチ’に対する日本社会の反撃も進行中だ。 2日午後、東京新宿中央公園では民族・人種差別に反対する「NOヘイト、東京大行進2014」が開かれた。 この日の行事に参加した約1000人は、新宿中央公園を出発して「差別のない世界を子供たちに」等のスローガンが書かれた横断幕・プラカードを持って行進した。 東京大行進は人種差別のない世の中を夢見たマーティン・ルーサー・キング牧師の演説「私には夢がある」で有名になった1963年のワシントン大行進をまねて、昨年始まり今年で2回目をむかえた。

東京/文・写真 キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/662588.html 韓国語原文入力:2014/11/02 20:32
訳J.S(1813字)

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