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公営放送『KBS』改革の第一歩は報道局長などの信任投票制

登録:2014-09-14 17:19 修正:2014-09-15 05:49
イラスト//ハンギョレ新聞社

社長が局長を一方的に任命
ニュース制作に政権の影響力排除できず
“第2のキム・シゴン事態”の再発が憂慮
記者ら「ニュース改善案」を経営側に伝達

チョ・デヒョン社長が受け入れるかどうかは'未知数'
就任式では言及さえせず
労組が下半期に圧迫強度を高める見込み

 公営放送『KBS (韓国放送)』の記者協会などが要求している「韓国放送再生案」が再び注目を集めている。チョ・デヒョン新社長がこれまで本部長などの人事を理由に議論を延ばしてきたが、最近内部人事が完了したためだ。

 5日、韓国放送記者協会などは報道本部長信任投票制などを骨子とする運営改善案をカン・ソンギュ報道本部長に渡した。

 これは今年5月にキル・ファニョン事態があった時、報道本部の記者たちで構成された「報道の独立性及びニュース改善に関するTFチーム」が作ったものだ。カン本部長はその席で「関係局長たちの意見を聞き、他のマスコミ各社の事例も綿密に検討してみる必要がある」として即答を避けた。これに対し、KBS 記者協会側は「確固とした制度的支えがなければ、第2のキム・シゴン、キル・ファニョン事態が再発する可能性がある。この問題を必ず解決しなければならない。拒否し続けるならば、記者たちの大きな抵抗に直面するだろう」という趣旨をカン部長に伝えたという。

 今回の案では、報道本部長に対しては、記者信任投票を毎年実施して三分の二以上の不信任が出れば役職解任、報道局長と時事制作局長は、任命同意制と中間評価制を共に実施する、という内容が盛り込まれている。 TFチームには部長級の記者たちまでが参加した。

 実際、KBSは1990年の放送民主化闘争で労使団体交渉を行った後、報道本部長に対する信任投票を実施してきた。

 ただし、実際に人事処置につながったケースはほとんどない。2012年、 当時のコ・デヨン報道本部長が、偏向報道論議の末に84.4%の不信任を受けて辞任したのがほとんど唯一の例だ。今後はこれが強制規定となるような制度を作ろうということだ。

 報道局長任命同意制はこれまで公営放送で導入された事例はない。 『KBS』のほか『MBC(文化放送)』も社長が報道局長を任命している。記者たちの同意手続きはない。新聞の場合、現在『ハンギョレ』『東亜日報』『ソウル新聞』『韓国日報』が編集局長任命同意制を実施している。マスコミ私企業でさえ編集責任者の任命に際し、同意の手続きを踏んでいるのに、国民の支払う視聴料で運営されている公営放送は、今まで社長が一方的に局長人事をして来たわけだ。

 チョ・デヒョン社長が改革案を受け入れるかどうかは未知数だ。彼は就任式で、これと関連した言及すらしなかった。これに対し労組も、チョ社長に対する圧迫強度を高める考えだ。全国言論労組韓国放送本部(新労組)関係者は「チョ社長体制で改革が成功するかどうかは、主要局長任命同意制の導入にかかっている。下半期の団体協約締結のための労使協議の際、これを重点的に提起する」と話した。

 このような内部の動きとともに、外部では公営放送の支配構造改善に向けた努力が進められている。言論団体は「第2のキル・ファニョンを阻止しなければならない」として、放送法などの改正案を国会に立法請願した状態だ。現在、公営放送の支配構造は事実上大統領府の影響下に置かれている構造だ。ソウル大学のイ・ジュンウン教授(言論情報学)は「現在、公営放送は勝者独占の支配構造を持っているため、対決的にならざるを得ない。合議制の精神を生かす構造を模索しなければならない」として「独立的な公営放送委員会を作って、KBS、MBC、『EBS(教育放送)』をまとめて監督する方案も、検討に値する」と話した。

イ・ジョングク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/654792.html 韓国語原文入力:2014/09/11 21:38
訳A.K(1686字)

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