韓国とアメリカが戦時に韓米連合作戦能力を強化するため「韓米連合師団」を来年初めに編成することを決めた。
チェ・ユンヒ合同参謀議長とカーティス・スケポロティ韓米連合司令官は最近、戦時に任務を遂行する韓米連合師団を編成することで合意したと、韓国国防部が4日明らかにした。連合師団は今後、人員編成および作戦計画発展などの準備過程を経て、来年上半期に任務遂行体系を構築する予定だ。連合師団の師団長は在韓米軍2師団長(少将)が兼職し、副司令官は韓国軍の准将が務めることになる。
韓米混成部隊を編成されるのは、1992年7月に「韓米連合野戦軍司令部」が解体されて以来22年ぶりだ。韓米は71年7月に連合軍団である「韓米第1軍団」を創設し、80年にこれを「韓米連合野戦司令部」に昇格させたことがある。今回再び韓米混成部隊を編成することになったのは、2012年初めに当時のキム・サンギ陸軍参謀総長がジョン・ジョンソン米8軍司令官に意志を打診して議論が始まったという。また、スケポロティ韓米連合司令官は昨年11月に記者懇談会で「連合師団について初期段階の検討がなされている」と明らかにした経緯がある。
今回創設される連合師団は、戦争が起きれば京畿道議政府(ウィジョンブ)に駐留している在韓米軍2師団に韓国軍の機械化旅団が配下部隊として配属され、戦時任務を遂行することになる。代わりに平時には、韓国軍機械化旅団が韓国軍の指揮系統に従い任務を遂行し、必要な場合には在韓米軍2師団と連合訓練を実施するなど戦時状況に備えることになる。また、連合作戦と訓練のために韓国軍参謀役30人が在韓米軍2師団に派遣され任務を遂行することになる。
軍は戦時連合師団の編成により戦術的水準の韓米間連合作戦能力が向上すると期待している。合同参謀本部関係者は「韓米連合司令部が韓半島全体の戦略的連合作戦を担当するならば、連合師団は戦術的水準の連合作戦能力を高める役割をするだろう」と話した。特に北朝鮮の核・ミサイルなど大量破壊兵器(WMD)除去などの特殊任務に関する連合作戦力量強化も狙っているという。アメリカは「キーリゾルブ」韓米連合訓練に米国メリーランド州に駐留する第20支援司令部の大量破壊武器除去部隊を参加させるなど、北朝鮮の大量破壊兵器を深刻な軍事的脅威と感じている。 軍当局者は「核兵器除去技術などは米軍に学ばなければならないことが多い。連合師団が編成されて訓練を共にすることになれば、我々もこういう技術を習得する機会になるだろう」と話した。
この間、争点に浮上した連合師団の編成にともなう在韓米軍2師団の漢江(ハンガン)北側残留の疑惑に対して国防部は、「在韓米軍2師団は韓米間で合意した連合土地管理計画(LPP)により平沢(ピョンテク)に移転する計画に変わりはない」と強調した。 軍当局者は「連合師団の韓国軍参謀要員も在韓米軍2師団の再配置後には平沢で勤務することになる」と話した。
連合師団の編成は、最近の戦時作戦統制権転換論議に対応する性格もあるものと見られる。当初70年代初めに韓米第1軍団が創設されたのも、当時在韓米軍の縮小により韓国で安保不安が高まり、これに対する代案として推進された側面が大きかった。最近の戦時作戦統制権転換問題はひとまず再延期する方向が決まったが、今後も論議の火種が残っているだけに韓米混成部隊の編成で軍事同盟強化の格好をつくるためのものと考えられる。