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韓国 住民番号変更‘至難のわざ’朴大統領も救済を受けることは難しい

登録:2014-08-04 13:08 修正:2014-08-05 07:09
KB国民カード、ロッテカード、NH農協カードの3社は今年1月、大規模顧客情報流出事故を起こした。 イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr

‘流出被害者には変更を許容’役立たず
‘生命・財産に大きな被害を受けた場合’に限定
基準が曖昧で被害立証も困難
OECD「流出の瞬間に人権侵害」
「流出しただけで番号変更できるようにすべき」

 会社員チェ・ヨンミン(32)氏は、‘公式’に確認されたものだけで3年間に二度、住民登録番号の‘流出’に遭った。 去る1月、KB・NH・ロッテのクレジットカード3社が1億400万件に及ぶ個人情報流出事故を起こした時も、2011年7月SKコミュニケーションズから3500万件が流出した時もチェ氏の住民番号は誰かの手に渡った。

 先月31日、政府は住民番号が流出・盗用・変造され△生命・身体に被害を受けたり△重大な財産被害を被ったことが確実な時△当事者から申請があれば△委員会の審査を経て、住民登録番号を変更できるようにするとして‘個人情報保護正常化対策’を発表した。 これまでは番号エラーなどを訂正する時にのみ変更できたが基準を緩和したわけだ。

 「重大な財産被害が確実な場合には住民番号を変更できるというが、すでに流出被害を被った人の場合はどうなるのですか?」チェ氏は‘重大な被害’の可能性を常に抱いて暮らしているが、政府の対策を見れば実際に被害を受けるまでは住民番号を変更できない。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の住民番号も1月の信用カード会社の個人情報流出事故を含めて既に何度も流出した。 2006年7月にはハンナラ党全党大会投票を控えて身分確認をした朴大統領の住民番号13桁がそっくりある新聞の写真に撮影され全国に配達されもした。 だが、政府の変更基準では朴大統領も直ちに‘救済’を受けることは難しい。

 政府は近い将来、細部基準を用意するというが、大きな枠組みは変更が難しいものと見られる。 流出だけで変更を許容すれば、事実上すべての国民の住民番号を変えなければならないばかりか、犯罪者の身分洗浄を防止するための厳格な審査も必要になる。

 ハン・サンヒ建国(コングク)大法学専門大学院教授は3日「厳格な条件を付けているのは、結局住民番号は変更しないということと同じ」と指摘した。 ハン教授は「重大な財産被害という基準も曖昧だ。 100万~200万ウォン程度の金額であれば国家に保護する義務がないということか」と話した。 このため変更基準を許容可能な場合を列挙するポジティブ方式から、‘身分変造、犯罪利用、債務免除などに悪用される場合を除いて変更可能だ’というネガティブ方式に変えなければならないという指摘が出ている。

 ホン・ソンス淑明(スンミョン)女子大教授(人権法)は「住民番号変更‘絶対不可’から‘変更可能’に立場を変えたこと自体はひとまず肯定的に見る」としつつも、個人情報は‘流出の瞬間’にすでに人権侵害が発生したと見る経済協力開発機構(OECD)の個人情報保護ガイドラインに従う必要があると語った。 進歩ネットワークセンターのシン・フンミン弁護士も「住民番号は住所、電話番号などと共に編集されている。流出したという事実だけでも変更を許容するべきだ」と指摘した。

 政府は住民番号の廃止などを含む‘全面改編’議論は、公聴会(9月)等による意見集約を経て進めると明らかにした。 キム・キュナム記者 3strings@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/649624.html 韓国語原文入力:2014/08/04 09:01
訳J.S(1598字)

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