カード会社による個人情報流出事故以後‘情報人権’についての警戒心が高まっている。朴槿恵大統領が27日 "住民登録番号に代わって個人を識別できる案がないか検討しろ" と指示したのに続き、国家人権委も同日に声明を出して、住民登録制度の改善を求めた。大統領と人権委の要望ならずとも、爾後策でもきちんと正すべき緊急のものであることは明らかだ。
<ハンギョレ>が‘個人情報も人権だ’という題名で3回連載した記事は個人情報流出事例が昨日今日のことではないということを改めて喚起した。1994年にある情報代行業者が有権者1600万人や自家用車所持者110万人の個人情報を保有して摘発され、社会に衝撃を与えたことがあった。2008年にはインターネット ショッピングモールのオークションで1800万人、2011年にはポータルサイトのネイトで3500万人の情報が流出したこともあった。流出した情報でカード決済がなされたり預金が引き出されたりする経済的損失は当然大問題だが、個人情報を第三者が保有したり覗くのも深刻な情報人権侵害に違いない。
セキュリティーを目的に私たちの周辺に設置された防犯カメラ(監視TV)も市民の一挙手一投足を監視する道具として悪用されるかも分からない。携帯電話にインストールされたアプリケーションを通じて5秒ごとに位置を伝送するというグーグル・メプス・コーディネーターもやはり人権侵害の手段として悪用される危険が高い。1980年に経済協力開発機構が‘プライバシー保護と個人情報の国際的流通に関するガイドライン’を作ったのに続き、昨年12月には国連人権総会が‘デジタル時代のプライバシー権’の決議案を通すなど、情報人権はすでに国際規範として確立されて久しい。
今回のカード情報流出事故以後、我が国の住民登録番号制度について根本的な改善が必要という声が大きくなっていることは注目に値する。国家人権委は声明で "繰り返し発生している個人情報流出で最も問題になることは住民登録番号流出" として、 "外国人も共有材のように使っていてハッキングなどの犯罪に使われる恐れがあるのが現実" と憂慮を表している。憲法裁判所傘下の憲法裁判研究者も昨年の報告書で住民番号が基本権を侵害すると指摘したことがある。
米国は社会保障番号、日本は無作為に作った住民票番号を備えているが、我が国のように年齢や登録地、性別を入れた住民登録番号を一生使わなねばならない国はどこにもない。直ちに住民登録番号体系を廃止することが難しいなら、最小限住民番号の変更を許容したり任意の番号に変えるなど根本的な対策を検討する時になっている。