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大統領府は4月16日午後2時24分まで300人余がセウォル号に閉じ込められた事実を知らなかった

登録:2014-07-02 19:39 修正:2014-07-03 06:18
[セウォル号国政調査特別委、大統領府-海洋警察ホットライン録音ファイル公開]
2014年5月19日、朴槿恵(パク・クネ)大統領がセウォル号事故と関連して対国民記者会見を行いながら涙を流している(左)と、2014年4月16日‘沈没するセウォル号’の姿(右)/イ・ジョンヨン、キム・ポンギュ記者//ハンギョレ新聞社

海洋警察「救助者370人」大統領府・中央対策本部に報告‘大誤報’
生徒たちの大多数が船内に閉じ込められているというニュースが流れてしばらくして
朴大統領、午後5時10分「生徒たちを探すのがそんなに難しいのか?」

 ‘セウォル号’事故当日、大統領府は午後2時24分まで300人余りが船内に閉じ込められたまま沈んだという事実を知らずにいたことがわかった。 海洋警察は状況確認もせずに「救助者が370人」と明らかにし、大統領府と中央対策本部などに報告し‘大誤報’を招いた。

 2日、セウォル号国政調査特別委では、海洋警察と大統領府間のホットラインをはじめ海洋警察状況室の電話通話録音ファイル(4月16~17日)が公開された。 当該録音ファイルは野党議員が何度も提出を要求していたが、海洋警察は機関調査を控えたこの日の午前1時頃に国会に提出した。

 録音ファイルによれば、海洋警察は事故の連絡を受けた後、4時間余が経過した午後1時4分に大統領府に「現在までに確認されたことでは生存者が370人」と口頭で報告した。 午後1時19分には「消防本部は354人だとし現在確認中」と再度報告した。 当時、477人が搭乗したと知らされていた状況で、350人~370人が救助されたという知らせは非常に鼓舞的な知らせだった。

 海洋警察は午後1時41分には「まだ正確に把握されていない」と一歩後退した。「増えることも減ることもありうる」と大統領府に報告した。 大統領府は「そこでも(救助者が)追加されることもあるのか」として肯定的に応えていた。

 だが、大統領府への報告とは異なり、海洋警察状況室では非常事態が起きていた。 大統領府との通話の7分前である午後1時33分、全南(チョンナム)道庁状況室に確認電話をかけてみた結果「行政(船)と通話したが、190人救助(追加救助されたものと勘違いした人の数)して、そんなものはない」という回答を受けたためだ。 34分には木浦(モクポ)海洋警察署状況室から本署状況室の状況担当官に電話をかけ「(初期に救助人員だとして明らかにした)169人以外は把握されていない」 「珍道郡庁(チンドグンチョン)確認したところ全く根拠のない話」と反論報告を上げていた。

 海上警察は午後2時24分になって大統領府に「死亡者2人を含め166人が陸地に戻ってきたことが確認された」と訂正した。 大統領府側は「大変なことになった。 大統領まで報告は全て終わっている」と慌てた。 「さっき190人(追加)救助した時、とても良いことなのでVIPにすぐに報告した」ということだった。 また「すると(今の時刻は)海上にいる可能性もなく、残りの310人は全員船内にいる可能性が高いのではないですか?」 「これは波紋が大きくなるが」と話した。

 誤認の経路は正確に把握されていないが、海洋警察の本庁が西海(ソヘ)地方海洋警察庁などと集計を合算する過程で誤ったものと推定される。 海洋警察はきちんと確認もせずに370人が救助されたとし、大統領府をはじめ消防防災庁と119救助本部、中央対策本部などに伝播したことが録音ファイルを通じて明らかになった。

 朴槿恵大統領は午後5時10分、ソウルの安全行政部庁舎に用意された中央対策本部を訪れ「生徒たちがライフジャケットを着用していたというのに、探すのがそんなに難しいのか?」と尋ねた。 生徒たちの大多数が沈没した船内に閉じ込められているという事実がニュースを通じて知らされてから、更にしばらく時間が経過した後のことだった。

チョン・ユギョン記者 edge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/645147.html 韓国語原文入力:2014/07/02 16:48
訳J.S(1810字)

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