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‘国家情報院のオトボケ’を認容…大統領選挙不法コメント裁判に重大変数

登録:2014-07-01 19:01 修正:2014-07-02 06:31
‘ツイッターアカウント ファイル’証拠不認定の波紋
国家情報院に対する国会国政監査が行われた昨年11月4日、ソウル内谷洞(ネゴクトン)の国家情報院庁舎前で職員たちが国会議員の到着を待っている。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

「メールは書いたが添付ファイルは分からない」…国家情報院側が荒唐主張
裁判所、大統領選挙介入文 78万件余中の相当数を証拠採択せず
‘組織的活動’立証の変数…検察では「ウォン・セフン有罪は揺るがない」

 裁判所が‘Eメールは自分が書いたが、添付文書は誰が書いたのか分からない’という国家情報院職員の‘自己矛盾'した主張を受け入れ、ウォン・セフン(63)前国家情報院長の公職選挙法違反疑惑裁判に重大な変数が発生した。 検察は核心証拠が依然として多数あるので有罪の立証に大きな支障はないとしつつも、ややもすれば1・2審で無罪が宣告されたキム・ヨンパン(56)前ソウル地方警察庁長官事件の‘前轍’を踏むのではないかという憂慮を示している。

■裁判に一貫して非協力だった国家情報院

 30日ソウル中央地裁刑事21部(裁判長イ・ポムギュン)は国家情報院職員キム・某氏の電子メールに添付された‘セキュリティ’文書と‘425ジノン’文書を「キム氏が書いたものか否かが不明確だ」として、証拠として認定しなかった。 2つの文書はキム氏が自身のメールアカウントでログインして‘私に書いたメール箱’に送ったEメールに添付された文書だ。 キム氏は二つの文書を自身が添付したことは認めながらも、誰が作成した文書なのかは分からないという、矛盾した主張を捜査と裁判の間、一貫して繰り返してきた。

 両ファイルの証拠認定可否はこの裁判に重大な変数になりかねない。 ‘シキュリティ’文書には国家情報院ツイッターチーム所属職員らが使ったツイッターアカウント276個が記録されている。 検察はこのアカウントを根拠にツイッター文78万6698件を有罪の証拠として裁判所に提出した。 だが、裁判所がこの'シキュリティ' ファイルを証拠として認定しなかったため、78万件中の相当数が証拠として認められなくなった。

 国家情報院は自己矛盾した主張を持ち出した。 去る3月キム氏は法廷に証人として出てきて「メールを書いたことは認めるが、添付ファイルを作成したか否かは思い出せない」と主張した。 さらに自身のメールアドレスと電話番号も思い出せないといった。 その後、ウォン・セフン前院長側も「当事者が作成したと認めていないので‘シキュリティ’文書を証拠として認定してはならない」と主張し始めた。

 検察はキム氏が業務上作成した文書であるから、当事者が認めようが認めまいが‘シキュリティ’文書を証拠として採択しなければならないと主張した。 だが、裁判所は受け入れなかった。 検察関係者は「1審裁判所の論理が確定するならば、当事者が作成したという間接証拠が充分あっても無条件に否認すれば証拠として認定されないことになる」と批判した。

■無罪の可能性?

 検察は多少困惑しながら、状況が大きくは不利になりはしないと見ている。 ‘シキュリティ’に入っている文書をまるごと証拠として認められなくても、その内のツイッターアカウント100個余りについては国家情報院職員を通じて使用した事実が確認されているためだ。 これらのアカウントで作成したツイッター文約30万件は依然として証拠として使えると見ている。 したがってウォン前院長の有罪を立証する上で、特別な問題はないという立場だ。 この間、検察は選挙介入疑惑を受けているツイッター文を最大限に確保すべく努力してきた。 膨大な量のツイッター文はすなわち国家情報院職員が組織的にツイッター活動をしたという有力な証拠になりうるためだ。

 このような状況で証拠能力を認められるツイッター文の数が減れば‘この程度の量では選挙に影響を及ぼせなかった’という国家情報院側の論理が堅固になる恐れがある。 検察関係者は「(ツイッター文を追加証拠として提出する前)コメント73個だけでも選挙法違反罪になると見て起訴したではないか。 ツイッター文の個数が減るのは副次的問題」と話した。 その一方で、彼は「裁判所が国家情報院の論理を受け入れている姿が全くすっきりしない」と憂慮した。

イ・ギョンミ、キム・ウォンチョル記者 kmlee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/644888.html 韓国語原文入力:2014/07/01 01:32
訳J.S(1979字)

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