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「国家情報院の名誉のために」 南北対話録まで公開したと言いながら…

登録:2014-03-09 21:51 修正:2014-09-05 16:51
ナム・ジェジュン院長‘証拠偽造の汚名’責任には言及せず
ナム・ジェジュン国家情報院院長

 ‘非正常の正常化’をトレードマークのように掲げている朴槿恵(パク・クネ)大統領が理解し難い水準の‘非正常的な沈黙’を守っている。 朴大統領の支持基盤である保守勢力でさえスパイ容疑者の証拠を偽造した国家情報院を‘綱紀紊乱’に該当する犯罪として批判しているにも関わらず、朴大統領は昨年の国家情報院大統領選挙介入事件の時のようにただの一言も言及せずに事態を放置している。 政界などでは‘国家情報院とナム・ジェジュン(写真)院長を唯一保護する朴大統領の態度が事態をさらに悪化させている’という評価が出ている。

 統合新党の創党を推進中のキム・ハンギル民主党代表と安哲秀(アン・チョルス)新政治連合中央運営委員長は9日 国会で共同記者会見を行い、スパイ事件ねつ造に対する真実糾明と特検の導入を要求し朴大統領と与党を圧迫した。 二人は「朴大統領はこの問題に対して沈黙を続けており、検察は事件関係者が自殺を試みた以後に捜査に切り替える安易な態度で一貫している。 朴大統領は今からでも真相を明らかにし責任者を処罰し、国家規律を揺さぶるこのような事態が再発しないよう断固たる措置を取らなければならない」として朴大統領の決断と特検導入を要求した。

 国家情報機関の首長でありながら今回の事件に対して弁解ばかりして責任を負う姿勢を見せないナム・ジェジュン国家情報院長も俎上に上がった。 ナム院長は昨年7月、国家情報院の大統領選挙介入に対する証拠と証言が相次ぐや‘南北首脳会談対話録’の公開を強行し 「野党が度々攻撃して歪曲するので国家情報院の名誉のために公開した」と主張した。 だが、ナム院長は国家情報院の‘証拠偽造’行為が具体的に明らかになっているにも関わらず、つじつまの合わない説明でかえって組織の‘名誉’を失墜させている。

 検察のある高位幹部は 「ナム院長が当初は(証拠偽造の事実を)知らなかったと見る。 しかし、以後に事件1審で無罪判決が下され、言論で偽造可能性を提起した時には事実関係の報告を受けただろう」とし 「その後にも知らなかったとか放置するならばいかなる形であれ組織の首長としての責任を免れないだろう」と話した。 特にそれまでの院長に比べて組織掌握力に優れているという評価を受けているナム院長が、この事件の経過を全く知らずにいた筈はないということだ。 ナム院長の居直りは過去に検察・警察の首長が被疑者拷問疑惑やデモ隊死亡などに責任を負って退いた事例と比較しても全く異なる身の振り方だ。

 ナム院長がこのように居座る背景には、今日までナム院長の政治介入行為などに事実上その肩を持ってきた朴大統領の篤い信任があるというのが一般的観測だ。 朴大統領は昨年にも国家情報院大統領選挙介入事件に対して永く沈黙していて 「国家情報院は自主改革案を用意しなさい」として中途はんぱな対処に終わった経緯がある。

 今回の事件は国家機関が特定個人の処罰のために文書偽造に乗り出した、民主主義の根幹である司法体系を揺るがす‘綱紀紊乱’に該当するにも関わらず、朴大統領は‘ゴマ粒(のように細かい)指示’を出した普段の姿とは異なり、何の言及もせずにいる。 ‘非正常の正常化’を推進するという公言にもかかわらず、自身に不利な事案には口を閉ざす対処方式が間違いなく繰り返されているわけだ。

 ユ・チャンソン時事評論家は「大統領選挙介入事件が選挙制度に対する挑戦だとすれば、今回の証拠偽造事件は司法制度に対する挑戦だ。 両事件共に民主主義の根幹を脅かすことなのに、情報機関がこれほど堂々としていられるのは、朴大統領が今までナム院長の背後に自身の信任があるという誤った信号を送ってきたため」と指摘した。 彼は 「今からでもナム院長を解任し、国家の規律を守らなければならない。 そうでなければ朴大統領は‘非正常の正常化’を口にすることはできないだろう」と批判した。

ソク・ジンファン、イ・スンジュン記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/627479.html 韓国語原文入力:2014/03/09 20:25
訳J.S(1819字)

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