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[旅客船沈没 大惨事]「弔花を片づけろ」 …怒れる遺族たち、朴大統領に激烈抗議

登録:2014-04-29 17:43 修正:2014-04-30 06:57
‘セウォル号惨事焼香所’の表情
"大統領の子供だったらこのようにしたか"
"ここまできて謝罪の一言もない"
警護員による護衛の中、焼香所を抜け出るや
"いったい何しに来たのか…"
朴槿恵(パク・クネ)大統領が29日、京畿道(キョンギド)安山市(アンサンシ)檀園区(タンウォング)草芝洞(チョジドン)の花郞(ファラン)遊園地に新たに設置された‘セウォル号事故犠牲者 政府合同焼香所’を訪問し、弔問を終えた後に遺族の抗議をメモしながら話している。 2014.4.29 /大統領府カメラマン団

 セウォル号沈没惨事から10余日ぶりに焼香所に現れた朴槿恵(パク・クネ)大統領は、弔問しただけで謝罪することはなかった。 怒った遺族たちは‘ここまできて謝罪の一言もないのか’として胸を打ちながら大声で叫び、朴大統領が去った後に大統領の弔花は焼香所の外に片づけられた。

 29日午前8時50分頃、朴槿恵(パク・クネ)大統領が京畿道(キョンギド)安山市(アンサンシ)檀園区(ダンウォンク)草芝洞(チョジドン)の花郎(ファラン)遊園地に設けられた‘セウォル号事故犠牲者政府合同焼香所’を訪ねた。 去る17日、全南(チョンナム)珍島(チンド)の室内体育館で沈没事故での安否不明の生徒の父母たちとの出会いに続き、これが二回目の現場訪問だった。 しかしこの日もやはり大統領は「お言葉はよく分かりました」と繰り返しただけで謝罪はしなかった。

 黒の正装に白い手袋をはめた朴大統領は、黙々と歩いて入り犠牲者の遺影に焼香し黙祷した。 あどけない顔の犠牲者の遺影に頭を下げた時、あちこちから鬱憤混じりの遺族たちの叫びが溢れでた。 「大統領の子供だったらこのようにしたか?」「ここまで来たのに先に遺族たちに会って謝罪の一言もしないというのか」と激しく抗議した。

 焼香を終えた朴大統領は芳名録に "突然の事故で亡くなられた方々の魂を賛え、謹んで頭を下げて冥福を祈ります」と書いた。 芳名録に記帳する朴大統領の背後から興奮した男性遺族1人が「大統領が来たら、家族に会わなければならないのではないか」と叫んだ。 ある女性遺族も「大統領、子供たちです」として泣き叫んだ。

朴槿恵大統領が29日、京畿道 安山市 檀園区 草芝洞の花郎遊園地に新たに設置された‘セウォル号事故犠牲者 政府合同焼香所’を訪問し焼香している。 2014.4.29 /大統領府カメラマン団

 黙々と移動していた朴大統領は、遺族10人余りと会うと歩みを止めた。遺族たちは「誰か一人(チョン・ホンウォン国務総理)が退いたからと言って解決される問題ではない」、 「これでは国民がこの国を離れたいと考えるだろう」と言って抗議した。 遺族たちに囲まれて抗議の声などを聞いた朴大統領は、途中途中で頷きながら、時々ため息を吐いた。

 ある女性遺族は「大統領、私たちの子供でした。最後まで現場にいなければならないのではないですか、違いますか? なぜ皆が責任を押しつけ合うんですか? 私たちの娘と9時48分まで通話していました。 その時だって笑っていたんですよ」と言って、こみあげる悲しみに泣き崩れた。 また別の遺族たちは「当局は焼香所を移すことさえ通知もしなかった。 遺族たちは本当に豊かな暮らしをしている人は誰もいない。 あまりにひどい」と訴えた。

 これに対し朴大統領は「それについても…」として躊躇し、ある男性遺族は「私どもが願うことは船長を牢屋にぶち込むなんてことじゃない。 本当に誤った慣行を正さなければならない」と主張した。 その時、初めて朴大統領は「そうします。 これが終わったら閣僚会議があるので、そこでこの間積み重なったすべての積弊などを全てえぐり取って、必ず安全な国を作る」と答えた。

 これと共に遺族たちが「犠牲者たちは礼遇を受けられず、葬儀手続きも自分たちで調べてやっている」などと言及し、抗議混じりの質問を続けると、朴大統領は「調査して責任を問う」と答えた。更に、パク・ジュンウ大統領府政務首席に「遺族たちの困難を全て聞いて解決しなさい」と指示した。 だが、朴大統領はついに謝罪はしなかった。

 大統領は午前9時8分頃、警護員の護衛を受けて合同焼香所を抜け出し、待機していた車に乗って現場を去った。 ある遺族は、朴大統領を乗せた車両が消えるのを眺めながら 「いったい何しにここへ来たのか…」として佗びし気に涙を拭いた。

 大統領が出発するや一部の遺族たちは「大統領の弔花を外に片付けよう」と大声を張り上げ、他の遺族たちも焼香所のまん中に置かれている朴大統領など高位公務員と政治家たちの弔花を片づけることを要求した。 結局、朴大統領、カン・チャンヒ国会議長、チョン・ホンウォン国務総理、ファン・ウヨ セヌリ党代表最高委員、カン・ビョンギュ安全行政部長官、イ・ジュヨン海洋水産部長官らの弔花は全て外に片づけられた。

 これに先立って電撃的に辞意を表明したチョン・ホンウォン国務総理は28日午後8時30分頃、安山臨時合同焼香所を訪れ弔問したが、遺族たちの特別な反発はなかった。焼香を終えて出てきたチョン総理は、辞意表明のタイミングが無責任だという指摘に対して、「弔問に来た席でそのような(辞意表明に関する)話はしない方が良いだろう」と話した。 一方、政府の葬儀支援団と安山市、京畿道教育庁などは午前9時30分から安山花郎遊園地に政府合同焼香所を開き、遺族と一般追慕客の弔問を受け始めた。 安山市 古桟洞(コジャンドン)のオリンピック記念館にあった臨時合同焼香所は、前日までの6日間運営され、この日深夜12時に閉鎖された。 臨時合同焼香所を訪れた市民は18万9379人と集計された。

安山/キム・ギソン、キム・イルウ記者 player009@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/634978.html 韓国語原文入力:2014/04/29 16:05
訳J.S(2533字)

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