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政府‘賃金号俸制廃止’一方的推進…二大労総 「受け入れられない」

登録:2014-03-19 22:33 修正:2014-09-05 15:45
‘賃金体系改編マニュアル’公表
職務・職能・成果給制に転換 誘導
合意なき推進は労使混乱を拡大

 政府が各事業場の号俸制を廃棄して、職務・職能・成果給制を拡大しようと‘賃金体系の大転換’を本格的に推進している。 実効性を確かめもせずに社会的葛藤をむしろ増幅させるだけだろうという憂慮が多い。 賃金改編は労働者と使用者が団体交渉で決めなければならないばかりか、通常賃金と労働時間短縮方案、職務評価方式などと関連した社会的合意がなされていない状況で、政府が一方的に労働者の‘賃金縮小’から要求した形であるためだ。

 雇用労働部は19日‘賃金体系改編マニュアル’を発表して、三点にわたる大型改編方向を提示した。 △固定的な賞与金・手当てなどを基本給に含める賃金構成体系の単純化△既存の号俸制(年俸)に代る職務級・職能給などの導入△実績に比例する変動賞与金・成果給比重の拡大などだ。 職務級は担当した職務別価値と難易度により、職能給は個人の業務遂行能力に応じて賃金を決める方式だ。 使用者が人件費総額を減らしたり、同じ費用で人材をより弾力的に運用できる。 それだけに労働満足度や安定性が動揺する恐れもある。

 雇用労働部は「年俸制は60才定年制(2016年から施行)および高齢化傾向にそぐわない。 中壮年の人材雇用に負担を感じた企業は、早期退職を実施するなど中壮年の雇用不安定を招いている」として、賃金体系改編の必要性を強調した。

 号俸制は常用労働者100人以上の事業場の71.9%、300人以上事業場の79.6%に適用されている程に支配的な賃金体系だ。 50~60才の労働者の賃金が頂点に達するが、生産性は低下して企業負担を大きくしていると財界と政府、一部の学界が指摘してきた。 ここに昨年末の定期賞与金を通常賃金に含めて超過勤労手当てなどを支給せよとの最高裁判決が今回の改編の決定的契機になった。 ‘賃金上昇、定年延長→企業負担増加→新規雇用萎縮→非正規職拡大→青年失業’という危機感が、財界や保守言論を通じて最大化したためだ。

 だが、政府の方針が実効を納めるか展望は暗い。 二大労総など労働界が強く反発している上に、対話を仲裁する労使政委員会は開店休業状態だ。 雇用労働部は昨年から労使政合意を通した賃金体系改編を強調してきたが、昨年末に警察による全国民主労働組合総連盟強制進入以後、韓国労働組合総連盟まで対話中断を宣言し労-政関係が断絶した。 その渦中で政府が‘労働者の譲歩’から求める賃金改編マニュアルを打ち出した格好だ。

 韓国労働社会研究所キム・ユソン先任研究委員は「年俸は悪、職務・職能は善のように、政府や財界が圧力を掛けている。 職務・職能に切り替えた企業の経営成果改善、雇用拡大が発見された実証研究はない」として「労使が改編を必要とする所から切り替え、特性に合った模範事例を作る作業が先行しなければならない」と指摘した。 二大労総は「資本と使用者だけに有利な賃金体系変更」とし、マニュアルの廃棄を促した。

イム・インテク記者 imit@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/629046.html 韓国語原文入力:2014/03/19 21:36
訳J.S(1415字)

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