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【統一大当たり論を越えよう(2)北も統一の主人公だ】北も、統一の主人公だ

登録:2014-02-27 18:53 修正:2014-09-03 14:40

北は、韓国と中国のうち、どちらを経済協力のパートナーにするだろうか?

 この問いは、朴槿恵(パク・クネ)政府がスローガンの次元を超えて実質的な“統一大当たり”を成し遂げようとするならば必ず投じなければならないものだ。 北側が最近、外国資本誘致を強く希望している状況で、韓国政府が傍観したり、ためらったりしていれば、北は中国を“長期発展パートナー”とみなす可能性が高いからだ。そうなれば、“統一大当たり”ならぬ“中国大当たり”を見守ることになる可能性が高い。

 北の外国資本誘致の熱望が如何に大きいかは、平壌(ピョンヤン)さえも経済特区に指定したという事実からよく分かる。<ハンギョレ>が最近入手した北の合弁投資委員会の投資誘致説明会の動画を見ると、北は平壌のウンジョン区を“先端技術開発区”に指定している。この動画で北側関係者は、代表的科学技術団地である平壌のウンジョン科学地区に先端産業を中心とした産業団地を建設する計画だと明らかにした。動画は北が外国資本誘致に活発に乗り出した昨年製作されたものと推定される。北が平壌に先端産業団地を計画しているという事実は昨年1月、アメリカの<自由アジア放送>が報道していたが、動画を通じて具体的に確認されたのは今回が初めてだ。当時、自由アジア放送は「北は平壌市ウンジョン地区の300haの敷地に、情報処理技術、ナノ新素材、先端工業設備、生命科学など先端複合技術団地を造成する方針」と伝えた。

 長期にわたり北との貿易事業をしてきたある事業者は「北は昨年5月、経済開発区法を制定したのに続き、11月には細部計画を公式発表した。このような動きは“点→線→面”と発展した中国式改革・開放の原則を飛び越えるものだ」と評価した。北は“点”と共に“線と面”の開放を同時に追求すると見られるということだ。 北の当局が経済回生に向けて外資誘致を切に望んでいるという傍証だ。

 しかし専門家たちは、このような構想が南ではなく中国を狙って作られた可能性が非常に高いという点を、韓国政府が認識しなければならないと指摘する。ある企業研究所所属の北韓研究者は「13の経済開発区と新しい経済特区がほとんど北と中国との国境地域や海岸地域に集中している。その反面、南を念頭に置いたと判断できる場所は、開城(ケソン)工団に隣接する開城先端技術開発区がほぼ唯一だ」と述べた。

統一大当たりか中国大当たりか…鍵は北が握っている

北の経済特区、中国との国境地域に集中
経済協力パートナー、中国を念頭の可能性
中国でも労働力・資源の輸血が切実

北の外資誘致本格化の時期
韓国政府が積極的に近づくべき時

 実際のところ、北はこれら特区および開発区への南の資本誘致の可能性を低く見ているものと分析される。これは最近公開された関連法規の投資主体規定を見れば明らかだ。最近制定された羅先(ナソン)経済地帯法及び黄金坪(ファングムピョ)経済地帯法(以上2011年12月3日)と経済開発区法(2013年5月29日)は「他国の法人、個人と経済組織、海外同胞」などを投資主体としている。投資主体に“南の資本”は含まれていない。これと異なり、開城工業地区法と金剛山(クムガンサン)国際観光特区法は“南”を投資主体と明記している。北がすでに長期経済発展のパートナーとして中国を念頭に置いているのではないか、憂慮される部分だ。

 北-中間の経済協力は中国の利害と合致するという側面も無視できない。中国東北3省の経済発展のために、北との経済協力が不可欠だからだ。

 キム・ジンヒャン韓半島平和経済研究所長は「毎年経済が10%以上成長している東北3省の場合、安価な労働力と資源の供給源として北が必須であり、すでに投資も活発だ」と述べた。中国が羅津(ナジン)港の投資を通じて羅津港1号埠頭に対する使用権を獲得した状態で、4~6号埠頭に対する新設権限も獲得したのが代表的な例だ。

 このような点を考慮すると、北は“統一の対象”というよりも、むしろ「誰に“大当たり”を抱かせるか」を決定できる主人公だ。もちろん国連の制裁や朝-米敵対関係が続いている状況で、現在、北は身動きできる幅が狭いのは事実だ。 外資誘致も、短期的には目標量を満たすことができるか疑問だ。しかし、こんな時こそ南側が動くことが重要である。

 中国丹東で北の労働者が生産するサッカーの手製シューズ工場を運営するキム・ギョンソン南北体育交流協会理事長は「政府が今乗り出さなければ、じりじりと投資を進める中国が結局“大当たり”をせしめるだろう。南はそれを他人事のように眺める境遇になる恐れがある」と指摘した。

キム・ボグン ハンギョレ平和研究所長 tree21@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/624803.html 韓国語原文入力:2014/02/18 23:02
訳A.K(2086字)

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