ソウル広場結集前、事前集会相次ぐ
弁護士120人余り「民主主義回復」叫び
市民「国民の反対する民営化中断せねば」
「お前は聞いているか? 怒れる民衆の歌、二度と奴隷のように生きることは出来ないと叫ぶ声。心臓搏動激しく揺れ、太鼓の音となって響く時、明日が開かれ明るい朝が来る~」
28日午後3時、ソウル新村(シンチョン)の現代百貨店前に集まった300人の学生がそろって歌を歌い始めた。大半は大学生だったが、高校生とみられる童顔も少なくなかった。彼らはみな、黒い服に赤い手袋とマフラー姿だった。そして、赤い旗が力強くはためく中、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の挿入曲である「民衆の歌が聞こえるか」を韓国語で歌った。
このフラッシュモブ行事は議政府(ウィジョンブ)のパルゴク高校のイ・ジウン(17)さんが民主労総の全面ストを支持するとして提案したもの。 ソウル・釜山(プサン)・大田(テジョン)、大邱(テグ)・光州(クァンジュ)と全国5都市で同時に行なわれた。 大邱中区の大邱デパート前で開かれた同行事には「大邱出身、ソウル在住の“マリ・アントンハネット(訳注:言葉が通じないね。 韓国語の発音は「マリ アントンハネ」となる)”に捧げます」というプラカードも登場した。「マリ・アントンハネット(言葉が通じないね)」は、ネチズンらが朴槿恵(パク・クネ)大統領につけたニックネームだ。イ・ジウンさんは「ソウルだけでなく、釜山150人、大邱100人など全国で総勢800人余りのネチズンが参加したと把握している」と語った。ソウルの行事で楽しそうな表情で3分間ほど歌った彼らは、ソウル広場に足を向けた。
ソウル広場で開かれた「民営化阻止、労働弾圧粉砕、鉄道スト勝利 第1次全面スト決起大会」に、民主労総推算10万人(警察推定2万3000人)の市民が集まれたのは、このように市民や学生など広範囲な世論の支持があったからだ。チョン・ホヒ民主労総スポークスマンは「公式的に集計することは難しいが、半分ほどが組合員でない市民だったと把握している」と述べた。
弁護士・学生など多様な階層の市民が事前に集会を開いて「鉄道スト支持」と「民主主義回復」を叫んだ。午後2時に<民主社会のための弁護士会(民弁)>所属の弁護士120人余りは、ソウル鍾路(チョンノ)の普信閣(ポシンカク)前に集まり、「正義に勝つ不義はありません」という字句が刻まれた宣伝物を一斉に掲げて見せた。 「法廷から街頭へ」という字句のプラカードも登場した。
民弁会長のチャン・ジュヨン弁護士は「憲法上の基本的人権を擁護し、民主主義の回復を叫ぶ民弁の活動こそ、社会正義を実践する弁護士の使命を遂行する道であると信じる。民主主義回復を望む国民と連帯するために、この場に立った」と述べた。
「皆さん、アンニョンハシムニカ(安寧ですか)」熱気の主人公である大学生300人余りは、清渓2街の産業銀行前で、全国教職員労働組合(全教組)所属の教師500人余りはタプコル公園で、それぞれ事前集会を開いた後にソウル広場に合流した。ピョン・ソンホ全教組事務処長は「朴槿恵政権は正当な鉄道ストライキを不法ストだとして指導部に逮捕状を乱発している。政権が労働者と民衆に向かって刃物を振り回すことを止めないならば、私たちが刃となって政権に止めを刺さねばならないのではないか」と述べた。教師たちは「先生も安寧でいられない」 「止めよ民営化の大災害」 「無疎通大統領 OUT(アウト)」などのプラカードを手に「全教組に対する弾圧を粉砕し、鉄道スト勝利しよう」とスローガンを叫んだ。
ソウル広場の集会で会った市民たちも、声を一つにして朴大統領の“一方通行式国政運営”を批判した。主婦チョン・ソンミ(47)さんは「これまで労組がストをしても関心がなかったが、今回は労組が国民に安全な鉄道と安価な鉄道サービスを提供するための名分ある闘いをしていると聞いている。朴槿恵政府はなぜ国民の望まない鉄道民営化をしきりにしようとしているのかわからない」と述べた。
ソン・ホギュン、バン・ジュンホ、イ・ジェウク記者 uknow@hani.co.kr