‘労働の象徴’公権力に踏みにじられて
現政権の行為に憤怒
民営化 社会的議論機構構成
我々の要請は徹底的に無視された
国民・市民社会団体 共に立ち向かわなければ
政府が22日、警察5500人を投じて、手配中の鉄道労組指導部9人を逮捕するとして、全国民主労働組合総連盟(民主労総)本部に乱入したが、ただ1ヶ所だけ足を踏み入れ無かったところがある。 シン・スンチョル民主労総委員長室だ。 組合員の阻止により、踏み込んで壊す代わりにドアを開けて委員長室の内部だけを見回した後に退いたと言う。 インタビューのために23日午後、訪ねた3坪大の委員長室の雰囲気は、65万組合員の虚脱と憤怒を全て抱いたように重かった。
シン・スンチョル(49)委員長は「人的・物的被害が大きい。 しかし同志たちが受けた負傷やこわれた什器ぐらいは我々の傷ではない。 (本当の傷は)この地の労働の象徴である民主労総に軍靴がそうしたように、公権力で乱入した行為に対する怒りだ」と話した。
-政府の強制進入を予想できなかったか。
"20日頃から押収捜索の便りが国会や言論を通じて入ってきた。 だが、無いと考えた。 朴槿恵(パク・クネ)政府を信じたというより、民主労総の象徴性があって、その象徴性を作った労働者と民衆を信じたためだ。 この政府にもその程度の常識はあると考えたが、それすら暴力で壊した。 どうしたらここまで一方的にできるのか。 誤った判断であったし、我々が愚かだった。"
-委員長も1階前面からの警察の進入を阻んで追い出された。 多くのことを考えたのでは。
"朴槿恵(パク・クネ)大統領の原則が何かを深く考えた。 労働者と国民を統治の対象としてのみ考える。 止まった記憶の中に自身を閉じ込めて、その記憶が原則だと理解し実行している。"
-実際に政権は絶えず労働界を圧迫してきた。
"だが、時間制働き口とか、労使政イシューでも、政府が一貫して民主労総の労使政参加を要請してきた側面もある。 我々の意見が反映されえない構造であり対話に応じてはいないが、民営化のような大きな国民イシューに対する社会的議論機構を作ろうという我々の要請は政府が徹底的に無視した。 民主労総が負担になるなら、その議論機構に入らないとまで言った。 現政権の疎通方式をそっくりそのまま示している。"
-結局、政権スタート1年で政権退陣闘争を公式化した。
"国家情報院・サイバー司令部の選挙介入など、各種の時局・対策会議に参加してきた。 特に全国公務員労組・全国教職員労働組合の法外労組化、公務員労組押収捜索などが進行される時、政権退陣闘争で対抗しなければならないという内部の声があった。 しかし、大衆組織である民主労総は大衆の共感がない宣言は無意味だと見た。 だが、今は大衆の判断、怒りで現政府を糾弾しなければならない状況になった。"
- しかし鉄道ストライキ労組員も疲れ切っているように、結局弱いのは労働者だ。
"現政権になって国民の幸福と疎通を暇さえあれば口にしていた。 だが、権力者の恣意的判断による原則と法だけが維持されている。 民営化ではないと言うが、信じない人々が多い。 教育・医療民営化、55才以上の派遣拡大に反対する人々が我々の友軍となって、我々が彼らの側に立つ他はない。 このような政策方向で最も大きな被害を受けるのは、組織されず存在を否定されるこの地の半分の労働者、900万の非正規職だ。"
-鉄道民営化はどのように解決すべきだと思うか。
"最悪の場合、鉄道労組が手ぶらで復帰することもありうる。 だが、鉄道労組はできること以上に役割を遂行している。 国民の力、世論があるから可能なことだ。 それでも彼らに民営化を阻むまで戦えとは要求できない。 それで政府と政界が社会的議論機構の構成に乗り出すことが重要だ。 国民が立ち向かわなければならない。 民営化に反対すると署名した100万人の国民と1200余りの市民・社会団体が今こそ阻止に立ち上がらなければならない。 同じように民主労総組合員が政権を退陣させられるか。 違う。 それは触媒になるだけのことだ。 国民に勝つ権力はない。"
2000年代以後、鉄道労組は5回のストライキを行い、全て民主労総の内部に状況室を構成してきた。 だが唯一、朴槿恵政府が押し入ってきた。
"ストライキ勢力が1990年代のように再び宗教施設に行かなければならなくなった" という話に、シン委員長は「そちらも安全ではない」と苦々し気に語った。
イム・インテク記者 imit@hani.co.kr