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「警察・韓電だけでも手に余るのに、マスコミとも戦わなければならないのか」

登録:2013-10-09 23:08 修正:2013-10-10 07:09
“送電塔葛藤”密陽(ミリャン)は今
送電塔工事再開6日目の7日午後、慶南密陽市丹場面の送電塔第4工区建設現場事務室前で天主教の正義具現全国司祭団がミサを奉献している。 密陽(ミリャン)/リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

生業まで休んで戦う送電塔反対住民
“朝鮮日報”の歪曲報道に悔しさぶちまけ
「くぼみ、外部勢力でなく青年会が作業
本質曇らす“焦点ぼかし”報道を中断せよ」
正義具現司祭団「密陽に平和を」ミサ

 明け方の霧が引き潮のように消えた山腹で焚き火が燃え上がった。 仮眠を取りながら夜通し工事現場周辺を守った住民が一人二人と起き出し、昨夜村に降りて行った一部の住民も戻ってきた。 警察と韓国電力公社(韓電)職員は依然として住民の工事現場進入を阻んでいた。 7日午前、送電塔工事が進行中の慶南(キョンナム)密陽市(ミリャンシ)丹場面(タンジャンミョン)一帯は相変わらず緊張感がみなぎっていた。

 夜が明けると一部の住民は96番送電塔建設予定地に作っておいた大きなくぼみの中に入って身を横たえた。 くぼみの上には輪にした縄のかかった木の支持台が設置されていた。 丹場面トンファジョン村のハ・某(48)氏は「くぼみは墓を、輪にした縄は絞首台を象徴する。 命をかけて戦うという覚悟で作った」と説明した。

 住民はそのくぼみに関する一部マスコミの報道に悔しさを爆発させた。 「統合進歩党の党員たちが激烈な行動を煽ろうとして、墓と輪にした縄の構造物を作った」という趣旨の報道に対してだ。 トンファジョン村青年会のソン・某(46)氏は「近くの村でやったのを見て、住民たちが決意を固める意味でやったことを“外部勢力”が主導したと歪曲するのは、密陽送電塔問題の本質を曇らせ、否定的世論を作り出そうとする“焦点ぼかし”だ」と話した。

 実際、先月秋夕(チュソク)連休の間、府北面(プブクミョン)平坦(ピョンタン)村の住民8人は、位良里(ウィヤンリ)127番送電塔工事予定地に墓の形の穴を掘った。 送電塔工事に抵抗して死んだらそこに埋められてでも工事を阻止するという意志を表現したものだ。 また別の住民(82)は「私たちは統合進歩党とか政界とかには全く関心がない。 飲み水などを持って応援にきた人たちが、地面を掘っているのを見て手助けしただけだ。 年寄りには夜を徹して警察・韓電と戦うだけでも手に余るのに、新聞や放送とまで戦わなければならないのか。救いがない」と話した。

 ‘<密陽(ミリャン)765kV送電塔反対対策委員会>はこの日午前、住民と共に記者会見を行ない「去る5日密陽(ミリャン)住民を支持するためにやってきたたくさんの人々の中に統合進歩党党員も20人余りいたが、穴はトンファジョン村の青年会が既に4日から掘り始めたもので、統合進歩党党員は一時手伝っただけだ」と説明した。

 韓電はこの日 “765kV新古里~北慶南送電線路建設工事第4工区” の建設現場のうち、丹場面(3ヶ所)、府北面(1ヶ所)、山東面(1ヶ所)の5ヶ所に施工業者職員など260人余りを投じ、掘削・基礎固め工事を行なった。 ヘリコプター4台が建設装備と資材などを運んだ。

 天主教の正義具現全国司祭団が現場でミサを開こうとしたが、ヘリコプターの轟音でそれさえも困難だった。 ムン・ギュヒョン神父らが警察と韓電側に「ミサの時間だけでもヘリコプターの運行を止めてほしい」と頼んだが、ヘリコプターは止まらなかった。 この日、正義具現司祭団主管で丹場面の第4工区現場で開かれた“奉献ミサ”は予定時間の午後1時半を遥かに過ぎた午後3時頃に始まった。「平和は正義の作品」という題で開かれたミサには、80人余りの神父・修道女と村の住民50人余りが参加した。

 キム・ジュンナン神父は説教で「雨の中で野宿するミリャンのおばあさんたちは、政府が(1世帯当り) 400万ウォンの補償金を出すと言ったとき拒絶した方たちだ。 信念を守っている老人たちを金で(補償を狙って反対デモをしているという風に)冒とくするな」と話した。 司祭団は8日まで密陽(ミリャン)の各地を巡って奉献ミサを行なう計画だ。

 この日全国送電塔反対ネットワークの忠南(チュンナム)唐津(タンジン)市と慶北(キョンブク)清道郡(チョンドグン)の住民70人余りも反対闘争支援のために密陽送電塔現場を訪ね、「弱者である田舎の住民の財産と命を担保に維持される長距離送電システムを改革せよ」と要求した。

 一方、昌原(チャンウォン)地方裁判所密陽支所民事部のイ・ジュンミン判事は、送電塔工事資材野積場に無断で入ろうとした容疑(業務妨害・公務執行妨害など)でイ・サンホン慶州環境運動連合事務局長の拘束令状をこの日発給した。

キム・ギョンウク記者、密陽/キム・グァンス、イ・ジェウク記者 dash@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/606112.html 韓国語原文入力:2013/10/08 16:12
訳A.K(2163字)

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