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平凡な主婦が“密陽(ミリャン)希望のバス”に乗った訳は?

登録:2013-10-07 17:49 修正:2013-10-07 22:02
“脱核ミリャン希望のバス”ルポ…大学生・教師など80人参加
「送電塔の論議見て良心の呵責…国家権力の暴力深刻」
密陽(ミリャン)送電塔工事が再開されて四日目の5日午前、慶南(キョンナム)密陽市(ミリャンシ)丹場面(タンジャンミョン)米村里(ミチョンリ)の送電塔建設第4工区現場事務室前の掘っ立て小屋撤去現場で、“希望のバス”参加者が工事中断を要求して道路で拝んでいる 。/ニューシス

「私の心が楽になりたくて 密陽(ミリャン)に来ることにしました。」

 5日未明、密陽(ミリャン)送電塔工事現場へ向かう“脱核希望のバス”で会った主婦キム・ヘジン(30)氏は「おばあさんたちが警察と戦って赤黒くあざになった写真を見て、胸が痛んだ」と希望のバスに乗った理由を明らかにした。 キム氏は「福島事故がおきてからは家でサバを食べるたびに心配が尽きなかった。 原発で生産した電気を運ぶための密陽送電塔論難に接するたびに良心の呵責を感じた」として「私たち皆の幸せのために、おじいさん、おばあさんたちが戦っているのにみんな一緒に力を合わせなければならないのではないか」と話した。

 4日午後8時30分頃、ソウルの総合運動場で2台の“希望のバス”に乗り込んだ80人余りの市民は、環境団体会員・大学生・宗教人・現職教師・会社員などが大部分だった。 “緑色党”の党員もいた。 自身を成均館(ソンギュングァン)大の学生だと紹介したホン・ジョンミン(21)氏は、昨年密陽(ミリャン)に“農活”に行ったときの縁があって希望のバスに乗り込んだ。 彼は「お年寄りの方たちを人間的にもよく知っている。 無理やり工事を押し切るのを見て本当にもどかしかった」として「国家権力の手のつけようのない暴力は本当に深刻な問題だということを改めて思い知らされた」と声を高めた。

 午前2時頃、密陽(ミリャン)に到着した彼らは、住民の提供したテントや村会館などでしばらく仮眠を取った後、山道を登り始めた。 府北面(プブックミョン)位良里(ウィヤンリ)の126番送電塔現場と上東面(サンドンミョン)道谷(トゴク)村の109番送電塔現場など、工事現場に進入するためであった。 だが、現場への山道はすでに警察によって統制されていた。 市民は「座り込みをしている住民に食糧と水を渡しにきた」 「なぜ警察がこの時間に山道を遮断しているのか」と抗議した。 軽い小競合いもあったが、幸い大きな衝突にはならなかった。

密陽(ミリャン)送電塔工事が再開されて四日目の5日午前、慶南(キョンナム)密陽市(ミリャンシ)丹場面(タンジャンミョン)米村里(ミチョンリ)の送電塔建設第4工区の現場事務室前の掘っ立て小屋撤去現場で、“希望のバス”参加者が工事中断を要求して合掌している。 /ニューシス

 午前中ずっと密陽(ミリャン)市内のあちこちで警察と対峙した市民たちは、昼の12時頃、丹場面(タンジャンミョン)米村里(ミチョンリ)に位置する第4工区現場に全員集結し、工事再開以後第4工区道路前の掘っ立て小屋で座り込みを続けていた住民20人余りと合流した。 仁川(インチョン)・大田(テジョン)・大邱(テグ)・光州(クァンジュ)・釜山(プサン)など全国各地から個別に集まった市民など総勢150人余りの市民が一堂に集まった。 彼らは掘っ立て小屋の前に座って「補償も要らない、送電塔工事直ちに中断せよ」「行政代執行とは何事か、対話で解決せよ」などのスローガンを叫んで警察と対峙している。

 この日明け方から第4工区現場には、警察バス6台規模の兵力と消防車・救急車などが配置されるなど緊張が高まった。 午前9時頃からは登山服姿の密陽市所属公務員200人余りが現場内に集結した。 「今日行政代執行がなされるのではないか」という予測が出て緊張感が漂いもした。 しかし第4工区現場で会ったアン・某 密陽市建設都市局長は「住民たちの安全のために公務員を集結させただけだ。 今日掘っ立て小屋の撤去を試みはしない」と明らかにした。

密陽(ミリャン)/ソン・ホギュン、ソ・ヨンジ、イ・ジェウク、キム・ミヒャン記者 uknow@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/605880.html 韓国語原文入力2013/10/05 16:29
訳A.K(1836字)

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