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日本 「セシウム基準以下」 主張するが…他の放射性物質さらに危険

登録:2013-09-21 21:56 修正:2014-09-05 13:53
‘水産物輸入禁止’抗議は自己矛盾
食品医薬品安全処 "自国民の安全のための措置
国際法・国内法上 規制妥当"
市民放射能監視センター、女性環境連帯会員などが1日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)中学洞(チュンハクトン)の日本大使館前で福島原子力発電所放射能汚染廃水無断放流糾弾・日本産水産物輸入中断要求記者会見をしている。 (c) News1

 我が国政府が日本原子力発電所事故が起きた福島と周辺7県の水産物を輸入禁止したことと関連して日本政府が食品医薬品安全処(食薬処)を訪問し抗議して、世界貿易機構(WTO)に提訴する方案を検討しているが、専門家たちは日本のこのような態度が放射性物質漏出に対する責任を負わない居直りだと批判している。

 去る16日、日本の水産庁局長級官吏たちは我が国の食薬処を訪れ、福島と周辺7県を含む日本全域の水産物が放射能汚染から安全だと主張した。 セシウムの場合、kg当り100ベクレル以下に設定した日本政府の自主基準によれば国際放射線防護委員会が設定した成人の年間被爆許容値である1ミリシーベルトをはるかに下回ることになるという主張だ。 セシウム100ベクレルを食べる場合、成人は1年に約0.02ミリシーベルトに露出する水準なので50㎏の該当水産物を食べればようやく年間被爆許容値である1ミリシーベルトに到達するという計算が出てくる。 実際、わが国国民は1年に平均13㎏の水産物を食べると知られている。 普段から水産物をきわめて好んで食べる人でないなら平均的に安全だということだ。

 だが、日本政府のこのような説明には深刻な誤りがあるというのが関連専門家たちの指摘だ。 まず放射性物質にはセシウムだけがあるわけではない。 セシウムやヨード、ストロンチウム、プルトニウムなど良く知られた放射性物質をはじめ約200種が福島原子力発電所事故現場から出ている。 キム・イクチュン東国(トングク)大医大教授は「現在の技術で相対的に検出しやすいセシウムを検出して発表しているということにすぎず、すでに日本政府で発表したように汚染水からはストロンチウム、三重水素など数多くの放射性物質が検出されている」と指摘した。

 ストロンチウムなどのような放射性物質はセシウムよりはるかに多くの放射線を排出し、人体に入ってきた時もセシウムよりはるかに長く蓄積されるため一層危険だ。 問題はストロンチウムなどから出る放射線を正確に測定するためには概略一ヶ月程度がかかるということだ。 キム教授は「セシウムは半減期が70日だがストロンチウムは50年で、ストロンチウムが250倍程度長く体内に留まる。 その上、ストロンチウムが排出する放射線のある種類はセシウムの10倍で、三重水素はセシウムの100倍水準だ。 単にセシウムの検出量で安全だと話すのはそれこそ日本政府の自己矛盾」と説明した。

 また、放射能汚染水が海に漏れ続けているなかで、今後生態系に及ぼす影響は誰にも分からないという点も日本政府の説明を色あせさせている。 食薬処関係者は「8県の水産物を輸入禁止したことと、日本産の水産物からセシウムが少しだけ検出されても他の放射性物質まで検出試験をしようといったことは放射能汚染水が漏出を続けている状況に対する評価がまともになされなかったため」と話した。

 これに伴い、食薬処はわが政府の輸入禁止措置が自国民の安全のためのものであり、国際法および国内法上妥当だという立場だ。 食薬処関係者は「国内の食品衛生法にも危害の可能性がある食品に対しては輸入禁止措置が可能で、世界貿易機構の条項にも自国民に危害を与える恐れがある食品に対する輸入禁止条項がある」と説明した。

キム・ヤンジュン医療専門記者 himtrain@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/604015.html 韓国語原文入力:2013/09/21 20:57
訳J.S(1579字)

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