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【ニュース分析】ヨンフン国際中 結局 入試不正…“貴族学校”の予告された脱線

登録:2013-03-07 22:01 修正:2013-03-08 06:58
“裏金入学”疑惑 特別監査
富裕層のための“社会的配慮対象者選考”に続き
父母「入学の代価として2千万ウォン」暴露
高い授業料・英語没入教育など
設立前から社会的論難 呼ぶ
イ・ジェヨン 三星(サムスン)電子副会長

 ソウルのヨンフン国際中学校が父母から2000万ウォンほどの金を受け取って生徒を入学させていたという疑いについて、ソウル市教育庁が特別監査を行なうことにした。 イ・ジェヨン サムスン電子副会長の息子の社会的配慮対象者選考合格に触発されたヨンフン中の入試関連論難が“裏金入学”疑惑へと拡大している。 小学生まで入試競争に追いやる国際中の弊害に対する論議も再び起こる展望だ。

 キム・グァンボク ソウル市教育庁副教育長は5日<ハンギョレ>との通話で「ヨンフン中が生徒を入学させる代価として父母から2000万ウォンを受取ったという疑いが明るみに出ただけに、すぐ特別監査に乗り出す計画だ。 金品授受疑惑から会計問題まで学校運営全般について監査した後、検察捜査が必要な部分が出てくれば告発や捜査依頼をする方針だ」と語った。 当初社会的配慮対象者選考運営の適切性についてのみ行なうことにしていた特別監査の範囲を“入試不正”にまで拡大したわけだ。 先に、ヨンフン中卒業生のある父母が去る4日「子供が入学待機者状態にあった時、学校の高位関係者から『入学させてあげるから2000万ウォンほど出すように』という提案を受け、金を出して子供を入学させた」と一部の言論に暴露した。 こんなことが起きるとは、ヨンフン中学は一体どんな学校なのか。

 ヨンフン中はテウォン国際中と共にソウルにたった2ヶ所だけある国際中学だ。 競争とエリート教育を強調したコン・ジョンテク前ソウル市教育長時代である2009年、特性化中学校の一類型として設立された。 「国際化時代に備える人材を早期に育成する」というのが設立趣旨であった。 しかし国際中は設立前から高い授業料と英語没入教育で多くの論難を呼び起こした。 中学校は無償でなされる普遍的な義務教育段階なのに、富裕層だけが通えて英語で授業をする“貴族学校”が公教育体系に入ることが望ましいのかという論議だった。 ヨンフン中の年間授業料は720万ウォンに達する。 給食費と特技適性費など受益者負担経費は別途だ。 また、ヨンフン中ではネイティブ教師が3年間に2000時間を英語で授業する英語没入教育をする。 外国の原書教材で英語・数学・社会・科学などを教え、国語と韓国史など一部の科目だけを韓国語で授業する。

 コン前教育長が参与政府(訳注:ノ・ムヒョン政府)時代である2006年にも国際中学設立を推進したが、教育部の頑強な反対で意を引っ込めたのもこのような論議のためだった。 それでコン前教育長はイ・ミョンバク政府がスタートした2008年に国際中設立を再推進し、その当時でさえソウル市教育委員会が“設立同意案”の処理を一回保留するなど迂余曲折を経た。

 学費が大学の授業料並みに高いけれども、国際中の人気は非常に高い。 英語没入教育と“名門高”進学率の高さに魅力を感じる父母が好むためだ。 ヨンフン中の2013年新入生募集には160人定員に1348人が志願して8.43対1の競争率を記録した。 一般選考の場合、第1段階で小学校5~6年の国語、英語、算数、社会、科学の成績と出欠状況など学校生活記録簿(55点)と推薦書(30点)、自己啓発計画書(15点)を評価して定員の3倍数を選んだ後、抽選で最終合格者を選抜する。 卒業生はほとんど特殊目的高校と自律型私立高など成績優秀者を選抜する“名門高”に進学する。 キム・ヒョンテ ソウル市教育議員が最近公開した「ヨンフン国際中学卒業生の高校進学現況」という資料を見れば、今年ヨンフン中を卒業した第2期卒業生162人のうち75%が外国語高校などに進学した。

 富裕層が大部分である生徒構成の多様化のために社会的配慮対象者選考が導入されたが、これさえも便法運営されてきたことが明らかになっている。 社会的配慮対象者選考である父子家庭または母子家庭の子供など非経済的配慮対象者として合格した生徒の半数以上が富裕層という事実が確認され、 社会的配慮対象者の生徒が転校して生じた空席を一般の生徒で満たしもしている。 イ・ジェヨン サムスン電子副会長の息子も、父子家庭または母子家庭の子供という資格で社会的配慮対象者選考に志願した。 社会的配慮対象者選考で入学した生徒の中には違和感を感じたり学校生活に適応できなくて中途脱落するケースも少なくない。 ヨンフン中では開校した2009年から2012年までに47人が中途脱落したが、このうち7人が社会的配慮対象者だった。 ヨンフン中に子供を通わせていたある父母は「学則が厳しく、勉学の雰囲気を害したという理由などで反強制的に退学させる。 欠員補充のために転入生を受入れる過程でも問題が少なくないと聞いている」と話した。

 ヨンフン中の入試と運営過程の恥部が相次いで露呈する中で、国際中の存立理由自体に疑問を提起する声も大きくなっている。 チョ・サンシク東国(トングク)大教授(教育学)は「世界化時代に必要な専門的な能力は大学進学後に育てても遅くないのであって、国際中という形態の学校があえて存在する必要はない。 小学生まで入試教育に追いやり教育不平等をあおるなど弊害の多い国際中はなくすことが望ましい」と話した。

キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/576688.html 韓国語原文入力:2013/03/06 09:57
訳A.K(2413字)

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