hankyoreh

朴槿恵(パク・クネ)大統領当選人が22日午前ソウル龍山(ヨンサン)の韓米連合軍司令部ブリーフィング室で資料を見ている間、キム・ビョングァン国防部長官候補者が朴当選人の後を通り過ぎている。 シン・ソヨン記者 viator＠hani.co.kr

　朴槿恵(パク・クネ)大統領当選人が22日、武器仲介業者 顧問・偽装転入疑惑などで落馬の危機に直面したキム・ビョングァン国防部長官候補者とともに合同参謀本部と韓米連合司令部を相次いで訪問した。 野党はもちろん与党であるセヌリ党内ですら辞退要求が出てきている‘キム・ビョングァン候補 救命’に朴当選者が直接一肌脱いだ姿だ。

　朴当選人は就任式を三日後に控えたこの日、北韓の第3次核実験以後に造成された韓半島の危機状況をむかえて、合同参謀と韓米連合軍司令部を訪ねた。 予備軍統帥権者として軍の対応態勢を点検し励ますための席であった。 朴当選人は合同参謀関係者たちに 「北韓の核実験で国民が不安に思っている状況で合同参謀を訪問し心づよく思った。 北韓が挑発しているが無謀な挑発には断固たる報復がなされ、繰り返される悪循環の輪を切ることが重要だと考える」と話した。 北韓の挑発を決して容認しないという意志を誇示したものだ。 彼女はまた「新政府が追求するすべてのことの最大の基本は頑健な安保という事実を決して忘れないでほしい」と注文した。

　朴当選人が合同参謀と連合司令部訪問にキム・ビョングァン国防長官候補者を同行したことについては種々の解釈が出てきている。 まず兵器輸入仲介業者諮問、便法贈与、偽装転入など各種の疑惑が提起され、国会人事聴聞会の日程さえ確定できない中で、政界で‘落馬１順位’に挙げられるキム候補者の長官任命を強行するという意志を表わしたものと読まれる。 朴当選人が長官候補者に指名した17人の中で公開行事に候補者を同行したのはキム・ビョングァン候補者が初めてだ。

　キム候補者が自身の疑惑を解明する過程で、軍高位要人にまで火の粉が飛び散り軍内部ですら指導力に疑問を提起している状況で、軍内部の動揺を遮断しようとする政治行為とも解釈される。 実際、朴当選人は合同参謀地下指揮統制室でキム・クァンジン国防長官とチョン・スンジョ合同参謀議長など軍首脳部から非公開で安保態勢の報告を受けた。 連合司令部訪問ではジェームズ サーマン韓米連合司令官 兼 駐韓米国司令官が当選人を出迎えた。

　朴当選人の‘援護射撃’にもかかわらず与党セヌリ党からは‘キム・ビョングァン落馬’を展望する声が出ている。 セヌリ党核心党役員は「なぜキム・ビョングァンのような疑惑に包まれた人を国防長官に抜てきしたのか分からない。 その程度の人物は他にいくらでも探しなおせるのではないか」と話した。 キム候補者を巡る疑惑と軍の動揺を考慮する時、新しい国防長官候補者を探すことが賢明な選択だということだ。 セヌリ党のある最高委員は「党内でも初代長官候補者の中で2～3人が人事聴聞会過程で落馬するという話が出ている。 キム・ビョングァン候補者が落馬1順位として議論されている」と話した。

　パク・ヨンジン民主統合党スポークスマンは「道徳性と資質の問題が深刻に提起されて、国会聴聞会の成功自体が不透明な候補者を同行したことは単純な励ましとは見られない。 独善と我執の影がちらつくようで、強い憂慮を感じる。 非常に不適切な同行と訪問だ」と明らかにした。

シン・スングン、ソン・ウォンジェ記者 skshin＠hani.co.kr