8日、米国・イスラエルとイランの戦争は停戦に入ったが、今回の事態は世界における韓国の海上物流ネットワークが構造的危機に直面していることを鮮明に示した。中東産原油への依存度が70%に達する状況で、ホルムズ海峡が閉ざされただけで、韓国経済が根底から揺るがされた。地政学的ショックが繰り返される可能性が高まる中、ホルムズ海峡に代わる輸送ルートの開拓や輸入ルートの多様化などに拍車をかける必要がある。
産業研究院は8日に発表した報告書「米国・イスラエルとイランの紛争と、グローバル物流ルート再編の可能性」で、「海上物流の要衝に対する分散型低コスト攻撃が可能になったことで、これまで効率性中心に設計されたコア軸集中型のエネルギー・物流ルートが構造的な脆弱性を露呈した」と診断した。報告書は、韓国と密接な関係の海上要衝として、パナマ運河、スエズ運河、バブ・エル・マンデブ海峡、ホルムズ海峡、マラッカ海峡の5カ所を指摘した。その中でホルムズ、バブ・エル・マンデブ、スエズの3拠点が中東に集中しており、1つの紛争が同時に複数のボトルネックを脅かす構造となっている。研究院は「今回の紛争は、原油価格のショックやエネルギー供給網への短期的な対応にとどまらず、新たな物流ルートと中期的な産業転換戦略を併せて検討する機会とすべきだ」と指摘した。
研究院は特に新たな物流ネットワークとして「インド・中東・欧州経済回廊」(IMEC)への積極的な参加を提案した。これは2023年に開催された主要20カ国・地域(G20)ニューデリー首脳会議で発表された構想で、インド、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル、欧州を海上と陸上で結ぶプロジェクトだ。中東の不安定な3大海上要衝を迂回する新たな軸を作ろうとする試みだ。すでに経由国や米国が参加の意思を示している以上、韓国も積極的に動く必要がある。中東産原油・ガスへの依存度を短期間で下げることが難しい場合、輸送ルートを分散させてリスクを低減すべきだ。
国際秩序が多極体制へと転換し、米中の覇権競争が激化する中、マラッカ海峡など他の海上要衝もいつでも地政学的対立の舞台となり得る。エネルギー輸入と製造業の輸出入をほぼすべて海上物流に依存している韓国にとって、この危機はすぐに生存の問題となる。 経済規模が拡大すればするほど、代替エネルギー・物流ネットワークの構築に戦略的に投資する必要があり、同時に建設、インフラ、製造、物流企業にとって新たな海外市場を開く機会となり得る。中国はすでに2010年代から一帯一路事業を通じて、海上だけでなくパキスタンや中央アジアなどを結ぶ陸上経済回廊を多層的に構築してきた。中堅大国へと成長した韓国も、中長期的な代替経済回廊の構築を国家レベルの課題として推進しなければならない。