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[社説]協治と常識を蹴飛ばした尹大統領のハン・ドンフン法務長官任命

登録:2022-05-18 03:10 修正:2022-05-18 08:12
尹錫悦大統領が検察総長在職中だった2020年1月2日午後、ソウル瑞草区の最高検察庁別館で行われた「2020最高検察庁新年誓いの会」に参加している。左はハン・ドンフン最高検察庁反腐敗・強力部長(当時)=資料写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が17日、ハン・ドンフン氏を法務部長官に任命した。与野党が人事聴聞報告書の採択に合意できていない中、再送付要請の期限である16日が過ぎるやいなや、待っていたかのように任命状を渡したのだ。

 驚くべきは、尹大統領がわずか1日前の国会での施政方針演説で、野党に対して「超党派的協力」を何度も要請したということだ。尹大統領は「私たちが直面している危機と挑戦の重さは、陣営や党派を超越した超党派的協力をいつにも増して強く求めている」と強調しているのだ。「政府と議会の関係において与野党は別物なのか」とも述べており、演説終了後は野党議員たちに近寄ってゆき、笑いながら一人ひとり握手もしている。その尹大統領がまさにその翌日、野党の強い反発を呼ぶハン長官の任命を強行したことは、協治は行わないと宣言したも同然だ。

 超党派的協力を可能にするためには、最高権力者である大統領がまず野党に手を差し伸べなければならない、というのは基本常識だ。典型的な少数与党国会では、当面の補正予算案からして野党の協力なしには国会の敷居をまたぐのは困難だ。このような中、野党が「協治の最大の障害」と名指ししたハン氏については、任命の再考こそ現実的な判断であり、穏当な措置だった。

 ハン氏は、国民の目線にも一般の人々の常識にも反する多数の疑惑も持ち上がっている。特に、娘を米国の大学に進学させるために、変則的なスペック作りを行っていたという疑惑については、すっきりした釈明も、心からの謝罪もない。人事聴聞会でも「何が問題なのか」とでも言うように傲慢な態度で一貫していた。

 尹大統領がソウル中央地検長、検察総長を務めた際の最側近、「腹心」というべき同氏を、検察を統括する法務部長官候補に指名した時から、言葉どおりの「検察共和国」となってしまうのではないかとの懸念は大きかった。にもかかわらず尹大統領は、その後も大統領室問題から始まり、法制処長、法務次官に自身と縁の深い検察出身者たちを相次いで据えたのに続いて、ハン長官の任命強行によって自身の考えを押し通した。ハン長官はこの日、任命直後に行われた就任式で、検察を省みる発言は一言もなく「検察を恐れるのは犯罪者だけ」と強気の発言を続けた。

 与野党関係の硬直で、国民生活の緊急懸案である補正予算案の処理はもちろん、20日の国会本会議での採決が予定されていたハン・ドクス首相の承認も不透明になった。協治も、国民の目線にも関心を示さないハン・ドンフン法務長官の任命強行に、強い遺憾の意を表する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1043251.html韓国語原文入力:2022-05-17 18:04
訳D.K

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