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[社説]「軍艦島」の約束破った日本の「佐渡金山」文化遺産推進、厚かましい

登録:2021-12-29 07:56 修正:2021-12-29 08:18
佐渡金山の一つである道遊坑の内部=共同/聯合・ニュース資料写真

 日本政府は28日、日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人を強制労働に動員した新潟県の「佐渡島の金山」(佐渡金山)を、ユネスコの世界文化遺産への登録の推薦候補に選定した。日本政府は2015年に「端島」(軍艦島)を文化遺産に登録し、強制動員の歴史を伝えると約束しておきながらも、いまだに守らないでいる。このような状況において、再び強制動員の歴史の現場を文化遺産に登録するというのは、まさに厚顔無恥だと言わざるをえない。

 佐渡金山は太平洋戦争中、金・銅・鉄などの戦争物資を調達する鉱山として活用された。韓国行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」の報告書には、1939年から1942年までに朝鮮人1200人が強制的に動員され、苛酷な労役により脱出が相次ぎ、捕まると暴行されたと記録されている。

 日本政府は2015年7月、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」23カ所を世界文化遺産に登録し、「1940年代に朝鮮人が『その意思に反して』連れて来られ、『強制的に働かされた』ことがあり、犠牲者を記憶にとどめるためにインフォメーションセンターの設置などの措置をとる」と国際社会に約束した。しかし、昨年末にできた「産業遺産情報センター」は、反対に「朝鮮人に対する差別はなかった」などの歴史を歪曲する内容であふれており、ユネスコは7月、日本政府に約束を忠実に履行するよう求める決議文まで採択した。軍艦島の歴史歪曲を是正しないでいる日本が、佐渡金山の文化遺産登録に乗りだしたのは、国際社会に対する明白な挑戦だといえる。さらに、新潟県などは、日本の文化庁に提出した資料で、文化遺産の登録対象期間から日本が朝鮮半島を植民地支配をしていた期間を除いた。強制動員の歴史を隠そうとする“小細工”にしか見えない。

 韓国外交部は、「本人の意志に反して強制的な労働が行われた場所が、これに対する十分な説明なしにユネスコの世界遺産に登録されないよう、ユネスコなどの国際社会とともに断固として対応していく」とし、日本政府に文化遺産の候補選定をただちに撤回するよう求めた。韓国政府は、佐渡金山が世界遺産には不適切である理由と、植民地時代の強制労働の歴史を、国際社会に十分に知らせる外交を積極的に展開していかなければならない。韓日関係がただでさえ悪化している状況のもとで、佐渡金山の登録をめぐり「第2の軍艦島問題」が起きるとなると、両国関係の改善はさらに遠ざかることになるということを、日本政府は肝に銘じてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1025142.html韓国語原文入力:2021-12-29 02:33
訳M.S

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