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軍艦島のように歴史歪曲…日本「佐渡金山」を世界文化遺産候補に選定

登録:2021-12-29 06:12 修正:2021-12-29 07:45
朝鮮人約1200人が強制動員したと推定される 
463人の名簿も発見、強制性が明らか 
歴史歪曲など「第2の軍艦島」になる可能性も
新潟県の「佐渡島の金山」の様子=ホームページより//ハンギョレ新聞社

 日本政府が、過去に1000人以上の朝鮮人を強制動員した新潟県佐渡市の「佐渡島の金山」(以下佐渡金山)をユネスコ世界文化遺産の推薦候補に選んだ。2015年の「端島」(軍艦島)登録の時のように、「歴史歪曲」をめぐる議論が再燃するものと見られる。

 日本文化庁は28日、文化審議会が8月から審査した結果、佐渡金山をユネスコ世界文化遺産推薦候補に決めたと発表した。候補申請書を出したのは、最初から佐渡金山だけだったため、同日の決定は事実上、予定された内容を追認するものだった。2023年の世界文化遺産登録審査を受けるためには、日本政府は来年2月1日までにユネスコに推薦書を提出しなければならない。

 文化庁は同日の資料で「ユネスコへの申請については政府内で総合的な検討を行っていく」と明らかにした。実際に登録されるかどうかは、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の審査と勧告を通じて最終決定される。

 新潟県沖の佐渡島にある佐渡金山は、江戸時代から金鉱で有名だった。その後、太平洋戦争の戦況が悪化した1943年以降、金だけでなく銅などの戦争物資を確保する鉱山として活用された。

 韓国の行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」の2019年の報告書によると、佐渡金山での朝鮮人強制動員は1939年2月に始まった。以後、1942年3月まで6回にわたって1005人を募集で連れて来るなど、計1200人を強制動員した。この時期に鉱山で働いた人々の名簿は、1943~1945年に会社が鉱夫にたばこを支給する過程で作成された「朝鮮人煙草配給名簿」で確認できる。名簿には朝鮮人463人の名前と生年月日、移動関連情報、作成日付などもぎっしりと書かれている。年齢が確認できる353人を分析すると、平均年齢は28.8歳。日本国立公文書館に保管されている「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃金債務等に関する調査統計」でも、似たような数値が確認できる。佐渡金山と関連して、1949年2月25日に1140人に対する未払賃金として23万1059円59銭が供託されたと書かれている。

 鉱山では過酷な労働を強いられたため、逃走する人が少なくなかった。朝鮮人のイム・テホ(1919~1997)は亡くなる直前の1997年5月、日本のノンフィクション作家の川田文子と面会し、二度も大事故に遭って脱出したという話を伝えた。イム氏は「戦後半世紀以上が経ったが、日本政府から心のこもった言葉を聞いたことがない。誠意ある謝罪を望む」という証言を残した。

 しかし日本政府が登録過程で朝鮮人強制動員を含む鉱山に関する「すべての歴史」を記憶しようとするかどうかは不明だ。新潟県と佐渡市が文化庁に提出した資料要約本は、対象期間を戦国時代末から江戸時代に限り、日本による植民地時代を除外している。そのため、2015年に韓日関係を悪化させた重要な原因となった「軍艦島問題」が再燃するのではないかと懸念が高まっている。日本政府は2015年7月、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」23カ所が世界遺産に登録される際、「施設の一部で1940年代に韓国人やそのほかの国の国民らが『自らの意思に反して』動員され、過酷な条件の『強制労働』をさせられた。犠牲者を偲ぶための情報センターの設置のような措置を取る」と約束した。しかし、昨年6月に東京の新宿にオープンした「産業遺産情報センター」は、「朝鮮人に対する差別はなかった」など、歴史を歪曲する内容で埋め尽くされた。ユネスコは今年7月、日本に対し忠実な履行を求める決議文を採択した。

 韓国政府は佐渡金山のユネスコ世界遺産登録推進を「非常に嘆かわしい」として直ちに撤回するよう求めた。政府は午後、外交部報道官論評を発表し、「本人の意思に反した強制労働が行われた場所が、これに関する十分な叙述もなくユネスコ世界遺産に登録されないよう、ユネスコなど国際社会と共に断固として対応していく」と明らかにした。

東京/キム・ソヨン特派員、イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1025109.html韓国語原文入力:2021-12-28 20:02
訳H.J

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