ユン・ソクヨル前検察総長が在職当時に受けた停職2カ月の懲戒は正当であり、逆に懲戒事由は重大で免職も可能だったとする裁判所の判決が下された。ソウル行政裁判所は14日、ユン前総長が起こした懲戒処分取消請求訴訟で、「判事査察」文書の作成・配布、「チャンネルA事件」の監察・捜査の妨害などの懲戒事由を認定し、原告敗訴の判決を下した。ユン前総長側は控訴する意向を表明したが、今回の判決内容を考慮すると、史上初の「懲戒された検察総長」として記録される可能性が高まった。
裁判部は、最高検察庁の捜査情報政策官室が作成した「裁判官分析文書」に違法に収集された個人情報が含まれていたのにもかかわらず、その報告を受けたユン前総長が削除や修正の措置を取らず、逆に配布するよう指示したことは、国家公務員法などに違反すると指摘した。また、最側近のハン・ドンフン検事長が関与したチャンネルA事件に対する監察を中断させ、捜査指揮権を最高検察庁の部長会議に渡した後にも専門捜査諮問団の召集を指示するなど、監察と捜査を妨害したと認めた。裁判部は、そのような行為は「検察事務の適法性と公正性を害する重大な不正」であり、「停職2カ月は量定基準で定められた範囲の下限より軽く、免職以上の懲戒が可能だ」と判断した。一言でいうと、検察総長としては行ってはならない問題を起こしたという叱責だ。
にもかかわらずユン前総長は、昨年12月の懲戒当時、「権力の捜査に対する報復」「捜査阻止目的」だと主張し、激しく反発した。検事たちも集団で反発した。裁判所は、一部の懲戒事由を認めながらも、懲戒取消訴訟の結果が出るまで懲戒の効力を中止するよう決定した。これは臨時的な性格の決定だったのにもかかわらず、懲戒が不当だという意味に外見が変えられ、最後には文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国民に対して謝罪もした。省みると、ユン前総長と検察の強硬姿勢による世論戦が一時的な成功をおさめたものだとみなせる。
しかし、今回の判決を通じて、懲戒の正当性が司法的な確認を受けた。政治的な弾圧を受けたというユン前総長の主張は根拠を失ったわけだ。むしろ、法治主義と検察の公正性を害した総長という不名誉を避けられなくなった。さらに、当時の懲戒の事由となった行為よりはるかに深刻な「告発教唆」と「義母の事件への対応文書」疑惑まで提起された状況だ。検察総長という職位を足場に大統領選に飛びこんだだけに、総長在職時代の違法や不正に対しては、徹底的な検証と厳格な評価を受けなければならない。