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[社説]朝鮮半島の「春」はひとりでにはやって来ない

登録:2021-03-17 06:58 修正:2021-03-17 08:37
日米両政府は16日午後、東京でバイデン米政権発足後初となる両国の外相・国防相による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。(左から)米国のロイド・オースティン国防長官、アントニー・ブリンケン国務長官、日本の茂木敏充外相、岸信夫防衛相が記念撮影を行っている=東京/ロイター・聯合ニュース

 北朝鮮の労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長は16日の談話で、韓米軍事演習について「共和国(北朝鮮)を狙った侵略的な戦争演習」と述べ、「3年前の春が再び戻ってくることは難しいだろう」と主張した。荒っぽい表現で、南北関係断絶の責任を韓国側に押し付けた遺憾な発言だ。

 1月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が南北、朝米関係の改善の条件として中止を求めていた韓米軍事演習が実施されたのだから、北朝鮮の立場からすれば黙ってはいられないだろう。しかし韓国政府が、野外機動演習をなしにしてコンピューター・シミュレーション指揮所演習とし、規模と形式を縮小したのは難しい決定だった。にもかかわらず、キム副部長が「赤い線(レッドライン、限界線)を越える腑抜けな選択」などと激しく非難し、「南朝鮮当局がさらに挑発的に出るなら」という前提をつけて、2018年に南北首脳が合意した「9・19軍事合意」すら破棄する可能性もあるとしたことには失望する。

 米国務・国防長官の訪韓前日に出た今回の談話は、北朝鮮が米国のジョー・バイデン政権に向けて送った初のメッセージだ。キム副部長は「米国の新政権」に向け、「今後4年間、ぐっすり眠りたいなら初めから眠りを妨げるような真似はしない方がいい」と述べた。ブリンケン米国務長官はこの日、東京で行われた記者会見で、キム副部長の談話に「なじみはないが、興味深い」と応酬し、北朝鮮に対する圧力の手段を再検討しており、同盟国と協力すると述べた。日米の外交・国防相はこの日の会談で「北朝鮮の完全な非核化」への決意を再確認し、北朝鮮の核・ミサイル、人権侵害問題に対応すると述べた。

 米国の国務・国防長官が日本と韓国を相次いで訪問することで、本格的に「東アジア外交戦」の幕が上がった。朝鮮半島の軍事的緊張の高まりを防ぎ、非核化交渉を再開するためには、南北と米国が「易地思之(相手の立場になって考える)」の姿勢で臨まなければならない。韓国は、南北関係、米中対立の中の対中国関係、韓日関係などの高次方程式を解くための精巧な戦略をまとめ、実行しなければならない。米国は、対北朝鮮政策を対中国政策の下位変数として扱うのではなく、韓国と緊密に協議して、対話再開に向けた合理的な方策を見出すべきだ。北朝鮮は、過度な韓国に対する圧力は朝米関係をも悪化させるということを忘れず、緊張を高める不必要な言行は慎まなければならない。3年前の朝鮮半島の春は、ひとりでにやって来たものではなかった。当事者である南北が力を合わせて米国を説得したのだ。今年の春も、南北米の三者が努力して作り出さねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/987050.html韓国語原文入力:2021-03-16 19:16
訳D.K

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