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[社説]最終審判受けても厚かましい詭弁ならべた李明博元大統領

登録:2020-10-29 20:20 修正:2020-10-30 10:06
借名所有した会社の資金を横領し、サムスンなどから巨額のわいろを受け取った容疑で裁判に付された李明博元大統領に、29日懲役17年の確定判決が下された。写真は1月8日ソウル瑞草洞の中央地裁で開かれた控訴審続行公判に出席する李元大統領/聯合ニュース

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領が29日、最高裁(大法院)で懲役17年の確定判決を受けた。自動車部品会社ダースの実所有主として、20年間に252億3千万ウォン(現在のレートで約23億円)を秘密資金として横領し、ダースの訴訟費用を代納させるなどサムスンから89億ウォン(同8.2億円)のわいろを受け取った容疑が1・2審に続き最高裁でも有罪と認定された。2007年ハンナラ党大統領候補競選に出馬し、ダースを借名所有したとの疑惑が本格的に提起されてから13年後に下された最終審判だ。国会議員、ソウル市長、大統領などを20年以上にわたり選出職公職を経て、借名財産を巧妙に隠し通し、マスコミの多くの疑惑提起や検察・特検による捜査に対しても「ダースは義理の兄弟と長兄の財産」という厚かましい嘘で国民を欺いてきた罪はきわめて重い。大統領在任時に国会議員などの公職の見返りに5億ウォン余りのわいろを得たという疑惑は、強大な権限を委任した国民に対する裏切りに相違ない。

 それでも李元大統領には反省のそぶりさえない。裁判期間を通して容疑を否認しつづけ「政治報復」だと主張し、この日の最高裁判決の後には立場文を出し「法治が崩れた」「最高裁は公正でも正義でもなかった」などと強弁した。立場文の中で「国の未来が心配だ」とした部分には失笑を禁じえない。在任中、4大河川事業などあらゆる失政で国民に負担を背負わせたことは脇に置いても、元大統領としてわいろ・横領の容疑で有罪判決を受けたこと自体が、国の品格を押し倒す行為ではないのか。国を心配する偽善は止めにして直ちに国民の前にひざまずき謝罪することこそが、たとえ一時でも大統領職を遂行した者としての最低限の道理だ。

 李元大統領は身辺整理の時間を持った後、来月2日に再拘束される予定という。2018年3月に拘束され、1審宣告後の2019年3月に保釈で解放され、再び2月の控訴審宣告で法廷拘束されたが、わずか6日後に拘束執行停止で釈放されるなど、拘置所を行ったり来たりした李元大統領は、今後残った刑期の16年を務めなければならない。刑が確定されたことで特別赦免の要件を備えたという理由で、一部ではすでに赦免論も議論されている。保守野党はこれまでも飽くことなく赦免主張をしてきた。だが、土下座して謝罪しても慎重に決めなければならない特別赦免を、一抹の反省すらない李元大統領に与えることは話にならない。李元大統領にだまされ裏切られた国民の怒りが決して容認しないだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/967807.html韓国語原文入力:2020-10-29 18:25
訳J.S

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