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[社説]ユン・ミヒャン当選者は真摯に釈明し、ふさわしい責任を取るべき

登録:2020-05-20 06:16 修正:2020-05-20 07:56
共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者が水曜集会で発言している=ハンギョレの資料写真//ハンギョレ新聞社

 正義記憶連帯(正義連)と共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者をめぐる疑惑が一向に収まる気配を見せない。正義連の国庫補助金と後援金に関連したずさんな会計問題がきちんと解明されないうえ、日本軍「慰安婦」被害者の女性たちのためのヒーリングセンターの売却と運営をめぐる疑惑も浮き彫りになっている。その間、これまで30年以上、被害者や活動家、市民が手を携えて数々の困難を乗り越えながら一歩ずつ前進させてきた「慰安婦人権運動」が大きな打撃を受けている。実に残念でならない。

 ユン当選者がマスコミのインタビューなどを通じて釈明する過程で、前言を翻しているという批判の声もあがっている。状況が悪化の一途を辿っている。現代重工業の指定寄付金10億ウォン(約8800万円)のうち7億5000万ウォン(約6600万円)をかけて2013年に京畿道安城(アンソン)に買い入れたヒーリングセンターと関連し、ハルモニ(おばあさん)たちが行きにくい場所をあえて選ぶ必要があったのかという批判に対し、ユン当選者は「10億ウォンでは当時、麻浦(マポ)で家を買うことができなかった」と釈明した。しかし、当時ソウル麻浦でも10億ウォン未満の取引が少なくなかったという反論が出た。また、ユン当選者は2012年に競売で手に入れたマンション購入資金の出所について、当初は「もともと住んでいたマンションを売った」としていたが、数時間後には「定期貯金を解約し、家族から資金をした」と述べた。ユン当選者は慰安婦被害者のハルモニたちの海外活動経費や葬儀費用をいくつかの個人口座で募金していたが、このように集めた後援金の使途に対する疑惑も持ち上がっている。このため、イ・ナギョン前首相が「事態を重く受け止めている」と述べるなど、共に民主党内部でも懸念の声があがっている。

 ユン当選者はすべての疑惑について、公の場で真摯に説明しなければならない。記者会見を開き、口座の内訳など納得できる根拠を提示する必要がある。ユン当選者が、誰も慰安婦被害について問題を提起しなかった頃から献身的に慰安婦の人権運動を率いてきたのは否定できない事実だ。しかし一方では、事実上“一人体制”で運営を行ってきたという指摘もある。詳細な資金の使用内訳などについてユン当選者以外の人は正確に説明できないという話だ。

 ユン当選者は今の事態が、慰安婦の人権運動に対する韓国社会の信頼に直結する問題だという認識を持たなければならない。 保守勢力とマスコミが悪意的に問題を歪曲し、政治に利用していると反駁するだけで解決する問題ではない。「法に触れることはしていない。これから議政活動の成果を見てほしい」という態度だけでは、慰安婦の人権運動が満身創痍になっている事態を収拾できない。検察の捜査まで始まった状況で、これ以上矢面に立つことを恐れてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/945636.html韓国語原文入力:2020-05-19 20:02
訳H.J

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