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[社説]正義連の「ヒーリングセンター疑惑」は遺憾、透明に解明せよ

登録:2020-05-18 07:00 修正:2020-05-18 09:35
正義連が日本軍「慰安婦」ハルモニたちのためのヒーリングセンターとして運営するために購入して売却した京畿道安城の「平和と癒やしが出会う家」の建物=安城、オ・ヨンソ記者//ハンギョレ新聞社

 正義記憶連帯(正義連)が企業の支援金を得て購入した日本軍「慰安婦」被害女性であるハルモニ(おばあさん)たちのためのヒーリングセンター「平和と癒やしが出会う家」の購入過程と運営などを巡る疑惑が相次いで提起されている。遺憾なことだ。

 正義連の前身である韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、2013年に現代重工業の指定寄付金10億ウォン(約8700万円)を得て、ハルモニたちや活動家たちのアクセスがしやすいソウル市麻浦(マポ)にヒーリングセンターを作るとした後、京畿道安城(アンソン)の建物を買い取り、ヒーリングセンターを設けた。高齢のハルモニが行き来するのが難しい郊外にあるので、結局ヒーリングセンターは十分に運営することができなかった。当時の相場より高い7億5000万ウォン(約6500万円)で建物を買い取り、売却の過程で大きな損失も発生した。購入取引を仲介したのは、正義連の前理事長であるユン・ミヒャン共に市民党比例代表当選者と親交のある、安城新聞のイ・ギュミン代表だ。イ代表は今回の総選挙で共に民主党の候補として当選した。建物を相場より高く売却して少なくない差益を得たのもイ代表の知人だ。また、正義連がユン氏の夫にニュースレターの製作を任せたことが明らかになったのに続き、この建物の管理をユン氏の父親に任せて賃金を支給してきたという。

 このような釈然としない点に対して批判的な声が出るのは当然だ。ユン氏はヒーリングセンターの場所に関連して「予算の限界で適切な所を探すことができなかったので、該当の住宅を購入した」と釈明した。管理人問題に対しては「信じて任せられる人が必要で父に任せ、私益を得るための目的ではなかった」と説明した。

 正義連は、ユン氏の父親を管理人に指定した点とヒーリングセンター事業を十分に遂行することができずに寄付金の損失が発生した点などについて、過ちを認めて謝罪した。正義連は国家の補助金収入の内訳の一部が国税庁の公示資料から漏れたという指摘に対しても、外部の会計監査を受けることにした。

 しかし、これだけでは不十分だ。正義連が信頼を回復しようとするならば、状況の厳しさを直視し、さらに多くの努力をしなければならない。今回の議論のために、過去30年間多くの活動家や市民の努力で日本軍「慰安婦」問題の歴史的真実と被害者の声を世の中に知らしめ、世界的に戦時性暴力に反対する運動を発展させてきた成果が揺らいではならない。正義連とユン氏が提起された疑惑に対して透明かつ謙虚に説明し、制度改善と内部監視機能強化など具体的な後続対策を出すよう願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/945301.html韓国語原文入力:2020-05-18 02:11
訳M.S

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