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[社説]「地域への感染」憂慮、脆弱階層への対応がさらに重要になった

登録:2020-02-19 06:43 修正:2020-02-19 08:03
17日午前、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎前で開かれた「COVID-19、障害者への支援および代案の不在・福祉部糾弾記者会見」にて、ある参加者が別の参加者にマスクを掛けている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 韓国国内でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態が1カ月となり、最近は感染経路を把握するのが難しいCOVID-19患者が相次いで現れ、地域社会への感染拡散の心配が膨らんでいる。場合によっては長期化の可能性も排除できない。このような段階では、早期発見と治療に重点を置いた体制、特にそのためは高齢者・障害者や社会経済的弱者など感染病の「脆弱階層」に対する対策が重要だ。

 18日に感染判定を受けた31人目の60代の患者も、29、30人目の患者に続き海外旅行歴がないケースだ。一部では相変わらず中国人の入国制限拡大などの「流入遮断」を強調しているが、このような段階では早期発見と治療に重点をより一層置かねばならない。COVID-19の場合、致死率が低く早期発見が重要で、子供よりも高齢者や基礎疾患のある人がより危険であることがこれまでわかっている。そのような点で、政府が高齢者が主に集まる療養病院の職員の全数調査の方針などを決めたことは適切な措置と評価する。

 一部の自治体では、脆弱階層にマスクや手洗浄剤の支給などに乗り出しているが、障害者団体が17日に行った記者会見でわかるように、感染病対応に脆弱な人びとに対する政策が十分に稼動しているかは疑問だ。疾病管理本部の記者会見で手話通訳は開始4日後に登場し、疾病管理本部のコールセンター(1339)相談はSNSで可能だと言うが、手話通訳は提供されていない。活動補助人がいなくなった障害者の場合は事実上「放置」も同然だ。無料弁当配達などが中断されて困難に陥ったり、感染の危険があってもやむを得ず外出して集団で集まる場所に行かなければならない社会経済的弱者も多いだろう。「健康不平等」という言葉があるように、彼らは選別診療所や1339利用情報から個人の衛生まで、感染病対応に脆弱にならざるを得ない。公共病院と保健所がすべて感染病対応に掛かり切りになっており、必ず診療を受けなければならない低所得層の基礎疾患者が診療機関を利用することができないケースも出ている。COVID-19に劣らず危険な疾病に対する医療資源の配分が適切に行われているのか、考えなければならない時だ。

 公衆保健の危機状況での脆弱階層に対する対応は、単純に温情主義や倫理的考慮のためだけと見てはならない。感染病拡散を防ぐ実用的な戦略との専門家の指摘を心に刻まなければならない。感染者の規模について、防疫に穴が開いているとかいないとかの論争より、今はむしろ“さらに多く捜し出す”ことが重要だ。政府の纎細な対策だけでなく、私たちの社会認識の転換も必要だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/928712.html韓国語原文入力:2020-02-19 02:40
訳M.S

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