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中国人留学生に対する入国管理対策の実効性に疑問の声も

登録:2020-02-18 00:01 修正:2020-02-18 07:56
休学・2週間登校中止などを勧告 
強制性なく、自宅隔離と明確に区別付かず 
留学生は差別的雰囲気が高まるのを懸念 
「中国人ではなく、ウイルス対象の措置を」
今月この11日午前、光州北区全南大学校生活館(寮)に入国した中国人留学生をCOVID-19潜伏期の14日間収容するスペースが設けられている//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の市中感染の遮断に向けた対策を相次いで打ち出している中、中国人留学生に対する管理策が過剰ではないかという声があがっている。中国から入国した留学生の規模があまりにも大きいため、地域社会に及ぼす危険を事前に遮断するという趣旨だが、あまり実効性の高くない規制に映りかねないという指摘もある

 教育部は新学期が始まるまで中国から入国する3万~4万人の留学生を対象に、2週間の登校中止と自律隔離を勧告した。これに従い、各大学が寮などの団体居住環境を設けており、1日1回健康状態を確認する方針だ。さらに、入国日程が決まっていない留学生には遠隔授業や休学を勧めている。

 問題は「自主隔離」措置が法的根拠や強制性のない“勧告”に過ぎないうえ、保健当局の「自宅隔離」措置と明確な区別がつかないことにある。保健当局はCOVID-19患者と接触するなど疫学的関係があるか、感染症に似たような症状が現れた人に対し、2週間の自宅隔離を原則としている。しかし、中国から入国した留学生は他の内国人・外国人同様、特別入国手続きを踏んでおり、これに該当しない。このため、アン・ジュラン教育部教育国際化担当官は17日、「中国人留学生対策は法的な自宅隔離ではなく、強制力はない」と釈明した。教育部が登校中止措置を発表し、自宅隔離に類似した「自主隔離」という用語を使ったのも、混乱を招いた側面がある。

 中国人留学生たちはなにより、自分たちに対する差別的な雰囲気が作られるのではないかと懸念している。キム・ソラ延世大学グローバル人材大学非常対策委員長は「履修登録前にCOVID-19関連のアンケート調査に必ず回答するようにしているが、その過程で、中国から来たという理由で差別を受けるのではないかと心配している留学生たちが多かった」と話した。一部の大学周辺では中国人留学生が部屋を探すのが難しくなったという話も聞こえる。清州大学の場合、中国入国留学生を全員寮に入寮させる計画だが、すでに部屋探しが終わった留学生たちがこれに反発している。18日に入国予定の中国人留学生リャオジン(慶煕大学)は同日、ハンギョレに「留学生たちはほとんどが韓国当局の処置を受け入れる雰囲気だ。しかし、こうした措置は“中国人”ではなく、ウイルスを対象に行わなければならない」と指摘した。

 保健医療専門家らは登校中止・自主隔離措置について、一種の“苦肉の策”と見る必要もあると話す。翰林大医学部のイ・ジェガプ教授(感染内科)は、「過剰対応の側面がないわけではないが、学校の立場としては、すでに入ってきた学生たちを放置するわけにはいかない。教育機関が学生たちを“ケア”(保護)する意味として受け止めるべきだ」と述べた。ただし、実効性については懐疑的な反応もある。高麗大学のキム・ウジュ教授(感染内科)は「1カ所に集めて隔離するよりは、診断書の提出などで自ら健康状態を立証するようにする方が良い方法かもしれない」と指摘した。

チェ・ウォンヒョン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせjapan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/928613.html韓国語原文入力:2020-02-17 21:13
訳H.J

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