本文に移動

[社説]保守統合、「数合わせ」ではなく原則とビジョンに立脚せよ

登録:2020-02-10 01:59 修正:2020-02-10 07:13
新しい保守党のユ・スンミン議員が9日午前に国会で記者会見を開き、自由韓国党との合併を進めるとともに、改革保守のため総選挙には出馬しないことを宣言した後、会見場を後にしている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 4月の総選挙が2カ月後に迫る中、保守野党の統合が重大なヤマ場を迎えている。新しい保守党のユ・スンミン議員が9日の総選挙への不出馬とともに「自由韓国党との新設合併を推進する」と宣言したことで、二党の統合が急ピッチで進められることになった。ただ、このような流れはユ議員の個人的な決断から始まった側面が大きいだけに、今後の推移はいま少し見守らなければならないようだ。重要なことは、保守統合が選挙を控えた数合わせに流れず、保守刷新の基調の上に実施されなければならないということだ。

 保守統合の見通しの不確実性はユ議員の記者会見によく表れている。ユ議員は「保守は合流せよという国民の命令に従う」としながらも「自由韓国党は変わっていないのに合併で国民の心をつかめるのか、この考えが心を押さえつけている」と述べた。また、「保守再建3原則を守るという(ファン・ギョアン自由韓国党代表の)約束を信じてみたい」とした。結局、党内外の要求に押されて統合には取り組むものの、まともな保守統合が実現するかについては確信が持てないということだ。

 ユ議員が「改革保守のための真心を残すため」総選挙不出馬を宣言し、「公認権、持分、党役職要求を一切しない」と明らかにしたことは、個人的な決断として評価に値する。しかし、ユ議員の不出馬がどのように改革保守につながるのかは分かりにくい。ユ議員の発表は、これまで統合交渉が順調でなかったところにファン・ギョアン代表側にボールを投げ、自分は後日を期すこととして事実上「白旗」を揚げたものではないのか、という疑問さえ抱かせる。

 もはや保守統合の行方は、かなりの部分がファン・ギョアン代表のやり方次第の状況に進んでいる。ファン代表はユ議員の発表について、「自由右派大統合のための貴重な決断だ」と述べた。ファン代表が強調した「自由右派」とユ議員の「改革保守」がどう結びつくのかは明らかでない。ファン代表の「自由右派」というのは結局、極右保守、根っからの保守までを包括する「汎保守水増し」ではないかという懐疑も抱かせる。

 ユ議員は会見で「野党になってからこの3年間、保守政治は改革保守とは程遠かった。『また親朴(槿恵)』『ふたたび親李(明博)』党になるかもしれないという懸念を払拭する公認としなければならない」と強調した。ファン代表が肝に銘ずべきところだ。国民がファン代表に望んでいるのは、原則とビジョンに基づいた統合によって保守を刷新してほしいということだ。その道だけが韓国政治を生かし、有権者の要求に応える道だということをファン代表は肝に銘じるべきである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/927535.html韓国語原文入力:2020-02-09 17:46
訳D.K

関連記事