スウェーデンのストックホルムで5日に開かれた朝米実務会談は成果なく終わった。今年2月にハノイ朝米首脳会談が「ノー・ディール」に終わって以降、7カ月の紆余曲折の末に開催された今回の会談に対する期待は大きかっただけに、失望とやるせなさも大きい。
交渉失敗の原因は正確には分からない。ただ、北朝鮮側のキム・ミョンギル首席代表が米国の「旧態依然たる態度」を批判し、「我々の期待に応えられなかった」と明らかにしたことには注目する必要がある。今回の会談を控え、北朝鮮は「新しい計算法」を、米国は「新しい方法」に触れ、双方が長期こう着状態にある北朝鮮の核問題解決の突破口を開くだろうという観測があった。しかし、北朝鮮の核廃棄を含む包括的合意を主張してきた米国と「段階的・同時的履行」を主張してきた北朝鮮が平行線をたどり、北朝鮮が不快感を示しつつ決裂を宣言したものとみられる。
北朝鮮の核協議に積極性を示してきた米国のドナルド・トランプ大統領が弾劾の危機を迎え、来年には大統領選挙まで控えている状況において、困難の中で設定された朝米実務協議が成果なく終わったことは決して良い信号ではない。にもかかわらず、朝米双方が対話の手綱を完全に手放さなかったのは幸いだ。北朝鮮は「われわれが先制的に取った非核化措置に米国が誠意を持って応えれば、次の段階の非核化措置に向けた本格的な議論に入ることができる」とし、「年末までいま少し熟考することを勧告する」と述べた。ハノイ会談後の自分たちの措置に対する米国の相応措置を迫り、対話を続けるという意味と読みとれる。米国も「2週間以内にストックホルムに戻って来て再会しようというスウェーデンの招待を米国代表団は受け入れた」と述べ、速やかに対話を再開する意志を表わした。
北朝鮮は、体制保証と非核化に対する相応措置について米国を信頼できず、米国も北朝鮮の非核化の意志を疑って北朝鮮制裁などの圧迫の手綱を緩めていない。非核化の困難な過程を考慮すれば、両者の立場は十分に理解できる。しかし、非核化のない朝鮮半島の平和と北朝鮮の発展は期待しがたい。米国も、北朝鮮に対し一方的な武装解除を主張するやり方では、非核化の目標を達成することはできない。南北首脳会談、朝米首脳会談、板門店(パンムンジョム)会談などで続いてきた北朝鮮核協議そのものを迷宮に陥れてはならない。朝米いずれも少しずつ距離を縮め、早期に再会して相手が受け入れられる接点を探る努力を続けてほしい。