北朝鮮と米国が4日から二日連続で非核化予備接触と実務協議をすることを予告した中、今回の協議に出席する北朝鮮代表団が3日午後、経由地である中国北京を経て、スウェーデンのストックホルムに向かった。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射という“緊張誘発要因”が登場したが、交渉は予定通り進んでいるとみられる。
北朝鮮側実務協議代表のキム・ミョンギル外務省巡回大使が率いる代表団は同日午前10時15分、平壌(ピョンヤン)発高麗航空(JS251)便で、北京首都国際空港第2ターミナルに到着し、乗換航空便がある第3ターミナルに移動した。キム大使は出国目的を問う取材陣の質問に対し、「朝米実務協議のために行く。米国側から新たなシグナルがあり、大きな期待と楽観的見通しを持っている。結果についても楽観視している」と答えた。
北朝鮮代表団は、キム大使をはじめ、クォン・チョングン元外務省米国担当局長とチョン・ナムヒョク北朝鮮米国研究所研究士など計4人とされる。同日、空港でチェ・ソンヒ外務省第1次官は目撃されなかった。中国航空側は彼らが予約したストックホルム行きの航空便(CA911)が予定より30分遅い午後2時27分に離陸したと述べた。
一方、朝米実務協議を控え、米国が「寧辺(ヨンビョン)の核施設の稼動停止プラスアルファ」の見返りに、北朝鮮の石炭・繊維輸出に関する制裁を一定期間留保する交渉案を作成したという米マスコミの報道が出た。米政府がこれを実際に真剣に検討しているかどうかは確認されていない。
インターネットメディア「Vox」は2日(現地時間)、「朝米協議に詳しい2人の消息筋」の言葉を引用し、「北朝鮮が寧辺の核施設を検証可能な形で閉鎖し、おそらくウラン濃縮の終了と見られる追加措置をとる見返りに、国連が北朝鮮の石炭・繊維輸出制裁を36カ月間猶予すること」が米国の案だと報じた。
「Vox」は、同案が北朝鮮が受け入れない従来の「先に非核化、後で制裁解除」という主張とは異なり、合理的だという専門家の評価も報道した。同時に同案は石炭・繊維の輸出が許可される3年間、北朝鮮が兵器能力を持続的に向上させることができるという点で、リスクがあると付け加えた。
これについてワシントンのある消息筋は、「あまりにも突拍子のない話」だと一蹴した。ただし、あるシンクタンク関係者は、「北朝鮮が受け入れるかどうかは疑問」だとしながらも、「米国がこうした案を北朝鮮に提案する可能性が少しはあるかもしれない」と述べた。