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[社説]金委員長の「トランプ初任期内に非核化」発言に注目

登録:2018-09-07 07:17 修正:2018-09-07 10:13
南北首脳会談9月18~20日で確定
北の非核化実現時期の特定の意義大きい
米は積極・肯定的回答で膠着の打開を
北朝鮮の金正恩国務委員長が5日、訪朝したチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長から文在寅大統領の親書を受け取っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長が6日、特使団の北朝鮮訪問の成果をあげた。まず、南北は3回目の南北首脳会談の日程と議題を確定した。特使団が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に直接面談し、非核化の確固たる意志とともに米国に送るメッセージを受け入れたことは特に注目するに値する。金委員長が南に仲裁者の役割を要請し、米国のトランプ大統領も文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「北朝鮮と米国の両方を代表する首席交渉人の役割をしてほしい」と注文したことを見ると、韓国政府の朝米交渉促進者の役割が一層力を得るものと見られる。交渉の膠着で遅れている「非核化時計」が早く進められるか、期待を抱くようになる。

 3回目の南北首脳会談の開催日を確定したことは、特使団が持ち帰った吉報だ。南北は18日から20日までの2泊3日、平壌(ピョンヤン)で首脳会談を開くことにした。首脳会談の議題にも合意している。板門店(パンムンジョム)宣言の履行成果の点検と今後の推進方向を確認し、朝鮮半島の平和の定着と共同繁栄の問題を協議することにした。特に朝鮮半島の非核化のための実践的方案を扱うことにしたことは、朝米関係進展の重大な契機として首脳会談を活用しようということに南北が合意したと読み取れる。遅れている南北共同連絡事務所を首脳会談開催前に開所することにしたことも成果だ。米国の立場を考慮して開所日に余裕をもたせたものと理解する。

 最も多くの関心を集めたのは、朝米の非核化交渉に関する協議だ。金委員長がトランプ大統領の初任期中に朝米の敵対関係の歴史を清算し、非核化を実現するという意志を明確に明らかにしたことが最も目を引く。トランプ大統領の初任期中ならば、2020年11月の米大統領選挙や2021年1月までを指す。このように時期まで特定したことは、6月の朝米首脳会談で明らかにした非核化の意志を一層明確にしたものだといえる。争点になった「終戦宣言」が韓米同盟や駐韓米軍とは関係ないと明らかにした事項も注目される内容だ。終戦宣言の意味を政治的性格に限定し、米国の負担を減らすという意味が盛り込まれた発言として理解するに値する。

金正恩国務委員長が5日、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長を首席とした文在寅大統領の対北朝鮮特使団と明るい表情で接見している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 金委員長が自身のメッセージをトランプ大統領に伝えてほしいと言ったことを見ると、文大統領に仲裁者の役割を継続することを要請したと見ても良いだろう。ここで注目するのは、トランプ大統領が文大統領に「朝米の双方を代表する首席交渉人になってほしい」と述べたという大統領府の説明だ。北は北なりに文大統領に頼り、米国も文大統領を朝米に橋をかける適任者と認定しているという意味だ。両者の信頼を得ることによって韓国政府の身動きの幅がそれだけ広くなったといえる。今回の北朝鮮訪問の主な成果のうちの一つと見てもいい。

 トランプ大統領が北朝鮮訪問の結果を伝えてくれるよう要請したのに伴い、チョン・ウィヨン室長は6日夕方、ホワイトハウスのボルトン国家安保補佐官に金委員長のメッセージを伝えた。もはやボールは米国に移った局面だ。金委員長の意志表明にトランプ大統領が積極的に応答してこそ、交渉の膠着状態を脱することができる。まずは延期になったポンペオ国務長官の4回目の北朝鮮訪問を再び実現させなければならない。3回目の南北首脳会談を朝鮮半島の非核化進展の重大な契機とすることも重要だ。すでに特使団の北朝鮮訪問で南北が「朝鮮半島非核化のための実践策」を協議することにしたので、今回の首脳会談でさらにもう一歩踏み出した非核化の方案が出てくるよう準備しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/861023.html韓国語原文入力:2018/09/06 18:09
訳T.W

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