チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は6日、南北首脳が軍事的緊張を緩和する具体的方案に合意することにしたと明らかにした。10数日後に開かれる南北首脳会談でどのような内容で合意するかに注目が集まっている。
チョン室長はこの日、対北朝鮮特使の活動結果を公開し、「現在南北間で進行中の軍事的緊張緩和を継続進展させ、(9月18~20日に開かれる)南北首脳会談を契機に相互信頼構築と武力衝突防止に関する具体的方案に合意することにした」と明らかにした。チョン室長はこれと関連して、追加的な説明はしなかったが、脈絡から見て7月の南北将軍級会談で原則的合意を見た、板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)非武装化▽非武装地帯(DMZ)南北共同遺骨発掘▽非武装地帯内で相互に試験的GP(境界警戒所)撤収▽西海(ソヘ)海上での敵対行為中止などを指すと見られる。当時の会談で首席代表だったキム・トギュン国防部対北朝鮮政策官(陸軍少将)は、会談を終えた後「南北がこれらの事案を推進していく上で、大きな枠組みで見解が一致し、具体的履行時期と方法については電話通知文および実務接触を通じて継続していくことにした」と明らかにしている。
この間、南北は当時の議論の結果に基づき、これら4つの事案に対して7月に復旧した軍通信線を通じて文書交換方式で具体化作業を進めてきた。軍当局者は「これらの議論事案を十数日後に開かれる南北首脳会談の包括的合意書にすべて盛り込むよう協議の速度を上げている。具体的履行方案も一部入れられるよう努力している」と明らかにした。
現在のところ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が当初提案した「非武装地帯における南北共同遺骨発掘」に対する協議が、他の懸案より進捗度が高いと知らされた。国防部当局者は「南北間ですでに共感した部分なので、履行方案を設けるのに意見の隔たりは多くない」と話した。
一方、残りの3つの懸案については、まだ多くの関門が残っているという。「非武装地帯のGP撤収」に関連しては、ソン・ヨンム国防部長官は先月、国会の国防委員会で「南北間の近くにあるGPから撤収しようと話した。試験的に10カ所余りを撤収することにした」と話したことがある。しかし、非武装地帯には南のGPが60カ所余りあるのに対し、北のGPは160カ所程度あるなど、南北間のGPの戦術的比重と意味が違う。したがって相互撤収にともなう南北間の軍事的バランスをどのように合わせるかをめぐり、南北間の意見の相違の調整が容易ではない。
「板門店共同警備区域の非武装化」は、当初北朝鮮が6月の南北将軍級会談で電撃的に提案したことなので期待を集めたが、やはり具体的方案の用意までにはもう少し協議が必要だという。「西海海上での敵対行為中止」と関連しては、南側が毎年7~8月に行ってきた白翎島(ペクニョンド)砲射撃訓練を中断し、2008年5月以後中断された南北国際商船共通網運用も7月に10年ぶりに復元されるなど、一部進展がなされた。しかし、平和水域問題などは進展が遅いと伝えられた。軍当局者は「これらは運用的軍備統制であるため、緊張緩和と信頼構築が先行しなければならない分野なので多くの協議が必要だ」と話した。