北朝鮮に抑留された韓国系米国人3人が10日、米国本土に帰還した。空港で彼らを出迎えたトランプ大統領は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に謝意を表わし、北朝鮮と米国の関係は「新しい段階になった」と明らかにした。彼は北朝鮮の訪問も「可能なこと」だと話した。抑留者の釈放はもちろん、金委員長とポンペオ国務長官の面会結果に両国ともに満足感を示したことは力強い。
北朝鮮はこの日の労働党機関紙「労働新聞」を通じて「朝米首脳会談は歴史的な出会いになるはず」と明らかにした。北朝鮮が朝米首脳会談について公式に言及したのは初めてだ。特に、金委員長とポンペオ長官の面会で「会談開催のための実務的な問題と方法が議論された」として「満足する合意をみた」と伝えられたことは意味がある。北朝鮮と米国が首脳会談の時期や場所、議題の3つの争点で妥協点を見出したと解釈できる非常に肯定的なシグナルだ。
実際にトランプ大統領は10日午前(現地時間)、朝米首脳会談が6月12日にシンガポールで開かれると発表した。特にトランプ大統領は、朝米首脳会談を正式に発表する前に、「彼(金正恩)は何かをすることを望み、彼の国を現実世界へ導こうとしている」と評価した。 首脳会談の展望を非常に明るくする発言であることは明らかだ。
このように朝米が互いに呼応して雰囲気を盛り上げる姿は、これまで力比べを繰り返してきた非核化の方式などにおいて、両国が大きな枠組みで意見の歩み寄りをしたのではないかと解釈できる。北朝鮮は「段階的・同時的措置」を、米国は「細かく分割された交渉は不可」を訴えて抵抗しているが、この部分である程度意見の相違は解消された可能性が大きい。「永久的な非核化」へと水位を高めた米国の要求を満たし、同時に不可逆的な体制の安全保障と制裁解除など北朝鮮の望みを担保できる解決策を見出したと期待する。朝米首脳会談で金委員長とトランプ大統領が非核化と恒久的平和体制という歴史的な成果を生み出すことを願う。
この機会に北朝鮮に抑留中の韓国人6人も早く釈放されるよう願う。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は首脳会談で、金委員長に彼らの釈放を要求した。大統領府関係者は「見えないところで最善を尽くしている」と明らかにした。彼らが家族のもとに帰れるよう、金委員長が決断を下せば幸いだ。