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米国「細かく分けた非核化はあり得ない」北朝鮮「信頼を重ねて段階的に」

登録:2018-05-10 01:36 修正:2018-05-10 15:20
米国の「北朝鮮の核問題」の解決策とは 
 
ポンペオ・ボルトン、見返りのない広範囲な非核化を強調 
「未来核物質」も含む…平和的利用認めない見込み
朝米の非核化に関連する立場//ハンギョレ新聞社

 「非核化過程を細かく分けない」(マイク・ポンペオ米国務長官)

 「不十分な合意は受け入れられない」(ボルトン・ホワイトハウス国家安保補佐官)

 米朝首脳会談を控え、ドナルド・トランプ米大統領の外交・安保の中心人物らが一斉に「見返りのない北朝鮮の広範囲な非核化」を強調した。ポンペオ長官は8日の平壌(ピョンヤン)行きの飛行機の中で、ボルトン補佐官は同日のトランプ大統領のイラン核協定脱退宣言直後、ホワイトハウスで北朝鮮に照準を定めた。いずれも前日、北朝鮮が中国との首脳会談で再確認した「段階別、同時的処置」を一蹴する発言だ。

 ポンペオ長官は「我々は、過去に歩んだ道を踏襲しない。私たちは目的を達成するまで制裁を緩和しない」と述べた。北朝鮮の非核化という目標を達成するまで、段階別措置には見返りを提供しないということだ。彼の訪朝が朝米首脳会談の議題を最終的に調整するためと見られることから、米国の態度が依然として頑固であることがうかがえる。ポンペオ長官は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を重ねて強調した。

 一方、ボルトン補佐官は、米国のイラン核協定の脱退に北朝鮮に向けたメッセージが盛り込まれていることを明らかにした。彼は「今日の脱退はこれから北朝鮮との会談にも影響を及ぼすだろう。不十分な合意は受け入れられないという明らかなメッセージを送った」と述べた。米国がイラン核協定の問題点として指摘する要素を、北朝鮮との交渉では除去するということを示唆する。トランプ大統領は大統領選挙候補時代から、イランの核協定を「最悪の契約」だと非難してきた。特に、イランの核能力の制限を10~15年に限定した「日没規定」に強い不満を示した。米国はイランの核協定の問題として、弾道ミサイル関連内容が盛り込まれておらず▽核プログラムの平和的利用に対する検証が不可能であり▽軍事基地の査察を制限しているという点を指摘してきた。

 米国は北朝鮮の核廃棄の対象に過去と現在はもちろん、未来の核物質まで含む可能性を示唆した。ボルトン補佐官は特に「我々が要求しているのは、北朝鮮が1992年の朝鮮半島非核化共同宣言に立ち戻り、核燃料サイクルの始まりと終わりの両方を除去すること、すなわちウラン濃縮やプルトニウム再処理を放棄すること」だと強調した。南北は非核化共同宣言で、核兵器の試験、製造、生産、受付、保有、貯蔵、配備、使用を行わず、核再処理施設とウラン濃縮施設を保有しないことで合意した。ボルトン補佐官はこれに先立ち、「すべての核兵器や弾道ミサイル、生物化学兵器と関連プログラムを含む北朝鮮の大量破壊兵器の完全かつ永久的な廃棄」を求めた。

 朝鮮半島非核化共同宣言は平和的核利用の権利を認めている。ボルトン補佐官がこれを受け入れたものかは定かではない。米国は2005年「6カ国協議共同声明」(9・19共同声明)を生み出した6カ国協議で、北朝鮮の平和的核利用も認めない方針を貫いたが、反発に直面して譲歩した。米国にとっては不十分な合意だったと言える。

 米国がこのように「過去に歩んだ道」を「不十分な合意」と見なしているのは、北朝鮮との交渉を以前とは異なるスタートラインから始めるためと見られる。過去の合意を失敗と見て、北朝鮮と新たな合意を結ぼうということだ。米国務省関係者は「過去の過ちを繰り返さないため、非常に留意している。これは、新しくて大胆なアプローチを必要とする。それに及ばないのは、いかなるものであれ過去の過ちを繰り返すだけだ」と話した。北朝鮮としては以前よりはるかに複雑化した米国の要求に直面しているわけだ。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/843963.html韓国語原文入力:2018-05-09 21:05
訳H.J

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