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[社説]“平和の大転換”もたらす板門店南北首脳会談

登録:2018-04-26 23:04 修正:2018-04-27 07:34
対決の象徴であった板門店が和解の広場に 
朝鮮半島「非核化ロードマップ」が最大関心事 
平和・共存・繁栄の新しい道しるべを
文在寅大統領と金正恩国務委員長=グラフィック_チョン・ヒヨン//ハンギョレ新聞社

 27日、南と北の両首脳が朝鮮半島の運命を賭して、板門店(パンムンジョム)の「平和の家」で会う。南北は最近三日間、合同リハーサルまで実施し、歴史的な南北首脳会談が支障なく進行されるよう万全の準備を終えた。世界全域から来た内外信の記者3000人あまりがこの会談を伝えるために、いっせいに耳目を板門店に集中させている。全世界が南北首脳の会談に注目している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、世界に向けて平和の意志を明らかにし、歴史の新しい章を開かなければならない。

 4・27南北首脳会談は、2000年以後3回目に開かれる会談だが、朝鮮半島を取り巻く情勢の重大さに照らしてみる時、歴代首脳会談の意味を跳び越える。首脳会談の結果により、朝鮮半島が敵対と反目の歳月から抜け出し、平和と繁栄の未来に進むか、戦争の暗雲の中に戻るかが分かれる。過去の首脳会談で南側の首脳が平壌(ピョンヤン)を訪問したのとは違い、今回は分断70年史で初めて北側首脳が軍事境界線を越えて南側の土を踏む。対決と不和の象徴である板門店が、平和と和解の広場に変わる。この一点だけでも今回の首脳会談は南北関係に足跡を残す事件として記録されるに値する。

 南北首脳会談の実現は、韓国政府の粘り強い努力があって可能なことだった。文大統領は昨年5月の就任以後、持続的に北側に平和のメッセージを送ってきた。7月のベルリン演説では遠大な平和構想を明らかにした。朝米が「火炎と怒り」の言葉をやりとりしている時も、平和に対する断固として揺るぎない原則を守った。そうした努力が新年に入って実を結び、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を南北が共にする平和の五輪にした。この期間中に韓国政府は、南北の出会いを導き朝米の対話を斡旋した。その結果が今日の会談だ。

 南北首脳会談の主要議題のうち、恒久的平和定着のための朝鮮半島非核化は最優先の関心事だ。非核化問題が根本的には朝米間で解決しなければならない問題であることは明らかだが、朝鮮半島安保危機が私たちの生活に及ぼす莫大な影響を考慮すれば、私たちの問題であることも明らかだ。非核化の最終解決策を朝米首脳会談の持分として残しても、今回の会談で南北首脳が朝鮮半島非核化の方向と日程に関して高いレベルの合意を引き出すことは必要で実現可能なことだ。南北首脳が国際社会を安心させる非核化ロードマップを作り出すならば、この合意の上に朝鮮半島平和定着の方案も具体的に議論できるはずだ。南北が停戦状態を終わらせて、平和体制に進むという意志を明らかにする終戦宣言を一緒にすることも期待する。

 今回の首脳会談は、朝米首脳会談へ向かう道案内の会談でもある。南北首脳会談がどれくらい成果を出すかにより、約1カ月後に開かれる朝米首脳会談の成否を推し計ることができる。南北首脳が非核化と平和に向けた明確な方向を提示するならば、朝米首脳会談に対する米国国内の一部の憂慮を洗い落とし、会談成功の可能性を高めるだろう。

 「平和、新しい始まり」という標語のとおり、南と北は争いで綴られた過去と決別し、新しい時代に向かって共に歩いていくための関門に立った。両首脳の肩に「平和に繁栄する朝鮮半島」という希望がかかっている。南北が和解と共存の道を開くために注いだ努力が、画竜点睛の大きな成果として結実することをすべての同胞とともに祈願する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/842242.html韓国語原文入力:2018-04-26 19:31
訳J.S

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