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新年の韓国経済の心配事、K字型成長【コラム】

登録:2026-01-23 00:49 修正:2026-01-23 13:23
アン・ソンヒ|論説委員
李在明大統領が21日、大統領府迎賓館で年頭記者会見をおこなっている/聯合ニュース

 22日、KOSPIが史上初めて取引中に5000を突破した。わずか1年前の突然の内乱事態で薄氷の上を歩いているようだった経済状況を振り返れば、別世界のようだ。消費心理は冷え込み、金融市場は不安に包まれ、輸出見通しも霧の中だった。幸いなことに、新政権の発足とともに徐々に安定を取り戻し、特にKOSPIは急速に上昇した。昨年は1%にとどまった成長率は、今年は2%前後になる見通しだ。とても満足というわけではないが、幸いなことに潜在成長率は回復している。大きな峠を越えて一息ついたら、今は他の諸問題が目につきはじめている。いわゆる「K字型成長」問題だ。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は今月9日に「今、韓国は『K字型成長』という重大な挑戦に直面している」と語ったのに続き、21日の年頭記者会見でも「K字型成長を克服していく」と述べた。今年の国政運営での主な心配事のようだ。韓国銀行のイ・チャンヨン総裁も新年のあいさつで、今年の韓国経済はK字型に回復するだろうとの見通しを語ってから、「持続可能で完全な回復とは考え難い」と懸念を示した。

 K字型回復という表現が本格的に登場したのはコロナ禍の時期だ。コロナ禍の衝撃で2020年に-0.7%にまで下落した成長率は、2021年に4.6%を記録し、一見V字回復しているようにみえた。だが一歩踏み込んでみると、アルファベットの「K」のように一方は上がり、もう一方は下がって格差が拡大する回復だった。プラットフォーム、オンラインショッピング、半導体などの非対面に関わる企業は大好況を謳歌したが、飲食・小売業などの自営業は廃業したり借金で延命したりしなければならなかった。資産市場と実体経済の対比はさらに際立った。マイナス成長にもかかわらずKOSPIは史上最高値を記録し、不動産価格は政権を揺るがすほど急騰した。

 今年、Kの字の右肩をたどっているのは、何と言っても半導体だ。人工知能(AI)ブームで昨年下半期から半導体は超売り手市場になっている。「半導体錯視」という言葉が出来るほど深刻な半導体への偏り問題は、昨日今日にはじまったことではないが、輸出に占める半導体の割合は、昨年は24.4%と史上最高値を示したのに続き、今年に入ってからは(1月1~20日)29.5%にまで上昇している。昨年の輸出は、半導体を除くと対前年比で逆に減少している。特に石油化学、二次電池、ディスプレイ、鉄鋼、家電などの主力産業が中国との競争のせいで困難に直面している。サムスン電子とSKハイニックスの2社がKOSPI時価総額に占める比率は、22日で35.4%にもなる。

 冷え込んだ実体経済と過熱している資産市場の対比も再現されつつある。昨年のソウルのマンション価格の上昇率は2006年以降で最も高く、KOSPIは5000時代が切り開かれた。不動産の上昇と株価の上昇を1つの物差しで評価するのは難しいが、資産格差の拡大という面からみれば効果は同じだ。

 K字型回復ないしK字型成長、すなわち二極化を伴う成長は、今や韓国経済の構造的なあり方として固定化しつつあるようだ。このような部門間の不均衡の積み重なりは、最終的に階層間の不平等の拡大へと帰結せざるを得ない。輸出、大企業、正社員、首都圏、資産保有などに該当する人々と、内需、中小企業または自営業、非正規労働者、非首都圏、資産なしなどに属する人々との格差が、次第に広がるということだ。

 李大統領は「成長の果実は特定の少数が独占するのではなく、誰もが共に分かち合えるようにする」(新年の辞)、「みんなの成長へと転換する」(記者会見)と約束した。9日に政府が発表した「2025年経済成長戦略」でも、「国民均衡成長および二極化の克服」が重要な位置を占めている。だが残念ながら、ほとんどが些細(ささい)なものか既存の対策の繰り返しに過ぎず、これといった政策は見当たらない。李大統領は「この重大な課題を解決する主役」としてスタートアップとベンチャー企業に言及したが、これらは革新経済の重要な要素ではあるものの、それだけでみんなの成長をけん引できるかは分からない。

 長きにわたって蓄積されてきた構造的な問題を一朝一夕に解決する妙手は存在しない。しかし、正解はすでに出ているのかもしれない。技術の変化に歩調を合わせた産業政策、大企業と中小企業との共生、正規労働者と非正規労働者との差別の解消、不動産市場の安定化、公正な課税と福祉拡大を通じた再分配の強化などがそれだ。今よりも李在明政権に必要なのは、そのための精巧な政策設計能力、実現に向けた強い意志、国民を説得するリーダーシップだろう。

//ハンギョレ新聞社

アン・ソンヒ|論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1241201.html韓国語原文入力:2026-01-22 18:19
訳D.K

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