南北首脳会談直前の中国内の雰囲気は歓迎一色だ。中国外交部の華春蛍報道官は26日、ブリーフィングで「(南北)両国が成功を収めることを願う」として「朝鮮半島問題について続けて良いニュースが聞こえてきており、これを通じて問題解決の正しい道が開かれることを望む」と明らかにした。
中国共産党機関紙「人民日報」はこの日「平壌(ピョンヤン)でかつてなく楽観的な雰囲気を感じることができる」、「ソウルでは市民が期待を込めている」として、両側の市民の反応を伝えた。また、今回の会談が「朝鮮半島の運命の転換点」というハンギョレの評価と「民族史の大事件」という「労働新聞」の評価を並べて紹介し、「南北首脳が会う歴史的瞬間が近づいている」と伝えた。
官営の中央テレビ(CCTV)と香港の鳳凰テレビも、終日朝鮮半島のニュースを伝え、首脳会談の成功を祈った。鳳凰テレビは、キンテックスに用意されたプレスセンターと臨津閣(イムジンガク)統一大橋を常時つないで雰囲気をリアルタイムで伝えた。新華社通信は「今回の会談が過去の二度の首脳会談より重要なのは、その後に続く朝米首脳会談のための布石であるため」と伝えた。
中国では、当局の立場を代弁する官営メディアが歓迎世論を主導している。当局が南北首脳会談報道の論調を統制しているという観測もある。急激に変わる朝鮮半島情勢の中で、どこへ跳ねるかも知れない世論を管理する意図と解釈される。一時中国では「中国排除」(チャイナ・パッシング)ではないのかという憂慮が提起されたが、先月末の金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の訪中以後、こうした声は徐々に聞かれなくなった。
しかし、その後に続く朝米首脳会談で、朝鮮半島秩序の根本的変化が予想される状況で、中国にとって緩衝地帯の役割をしてきた北朝鮮が米国と急激に密着する可能性を警戒する見方もある。官営チャイナデイリーのコラムは「韓国がより積極的役割をしなければならない。ワシントンを説得し、韓米訓練を中断させ、朝鮮と平和協定を結び平壌(ピョンヤン)の安保憂慮を消し去るように努力しなければならない」と主張した。中国側から韓国の積極的役割を強調したのは異例で、これは中国の利益にも合致する方向で平和体制議論が進められなければならないという意味と見られる。