登録 : 2017.12.04 06:23 修正 : 2017.12.04 08:27

北朝鮮が12月1日、平壌の大同江の河岸で花火の行事を行い、「火星-15」型ミサイル発射の成功を祝う様子/聯合ニュース
 今年5月末、北朝鮮を訪れた時に知りたかった核心の命題は、国際社会の制裁に北朝鮮がどこまで持ち堪えることができるかだった。ところが、そのような命題が意味をなさないほど、北朝鮮が見せた変化は不思議にも肯定的なものだった。果たして「前例のない制裁」を受けている国なのかが疑わしいほど、北朝鮮は生き生きとしていた。経済が上昇ムードに乗った北朝鮮の学者らの言葉の意味を随所で確認できた。

 先月初め、再び北朝鮮に行った。厳しい制裁が重なったからか、初冬だからか、平壌(ピョンヤン)の天気はいつになく寒く感じられた。そのためなのだろうか? この類を見ない厳しい環境の中、北朝鮮が果たしてどこまで持ち堪えるだろうかという命題を再び取り出した。今年9月3日、北朝鮮が6回目の核実験を強行し、国際社会の制裁は“過酷”なほど北朝鮮を圧迫してきたからだ。

 ちょうど今回の訪問期間中におよそ45年ぶりにおこなわれたという「第3回北朝鮮社会科学者大会」に、5000人の全国社会科学者らが一堂に集まった現場を見る機会があった。万雷の拍手や万歳の声、熱狂的にスローガンを叫ぶ声を聞きながら、あのような体制のもとでは、制裁と圧迫を加えるほど、凝集力が強化され、国際社会に対する敵愾心が増幅されるかもしれないと思った。

 ところで、再び不思議に思えたのは、1日半にわたって行われた会議で新たに補選された党中央政治局委員や党副委員長などの発言が相次いだにもかかわらず、「核」や「ミサイル」、「制裁」という言葉がほとんど聞こえなかったという点だ。北朝鮮経済に関する北朝鮮の学者らとのインタビューでも「制裁」という言葉はほとんど出なかった。なぜだろうか。外の世界では、北朝鮮が数日も待たず崩れ落ちるかもしれないと騒がれているが、いざ北朝鮮ではこの状況をあまりにも淡々と受け止めているようだった。

 単刀直入に、北朝鮮専門家らに国際社会の新たな強力な制裁にどこまで持ち堪えられるかという質問を投げて見た。すると、彼らは北朝鮮が制裁を受けなかったことがあったのかと問い返した。彼らは数十年間、制裁を受け、制裁に対する対応を身につけてきたと語った。核開発を進めるために制裁を受けるのではなく、米国が制裁で北朝鮮の安保を威嚇するために、核開発を行うという論理を展開した。だからこそ、金正恩(キム・ジョンウン)は核・ミサイルで世界最強の米国に堂々と立ち向かう「伝説的英雄」として浮上するのに十分だった。結果的に制裁が強化されてきた現実が、金正恩統治に正当性を与え、金正恩に「金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)金総書記の業績」に匹敵する業績を築かせたともいえる。

 平壌は、天気が初冬とは思えないほど寒かったこと以外は、5月末とあまり変わっていなかった。金正恩政権が発足してから5年間、制裁により原油供給が半分に減った。ガソリン価格は2倍も値上がりし、1リッター当たり人民元10ウォンほどになった。しかし、ガソリンで走るバスとタクシー料金は全く値上がりしていなかった。コメ価格も安定を維持していた。まだ経済が動揺する現象は見当たらなかった。北朝鮮の学者でさえ不思議だと言うほどだった。

 北朝鮮が“神”ではない以上、長期にわたる強力な制裁の影響を受けないはずはない。でも問題は、北朝鮮がこれに備えた自救策をかなり前から用意してきたということだ。原油供給の完全な中止に備えて、独自の油田からの原油抽出と石炭からの原油抽出に力を入れてきた。重油を節約するため、火力発電所の無重油着火法を開発した。輸出の道が閉ざされた石炭を火力発電所に大量投入し、火力発電所の比重を増やしている。軍需工業の先進技術を軽工業に移管することで、軽工業製品の国産化も大幅に進んでいる。やがては2020年までのエネルギー問題を基本的に解決し、食糧は完全に解決するという。
金景一・北京大学教授//ハンギョレ新聞社

 このような方式でどこまで持ち堪えられるだろうか? 強力な制裁により新たなエネルギーが注入されておらず、資金が枯渇していけば、経済成長は期待できないだろう。しかし、北朝鮮の人々の淡々とした表情からはしっかり持ち堪えていけそうな底力が感じられた。

 北朝鮮を離れる前日、平壌にはぼたん雪が降った。再び厳しい寒さが押し寄せるだろう。にもかかわらず、その日だけはいつになく暖かかった。

金景一 北京大学教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-12-03 21:13
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/821852.html 訳H.J
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