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トランプ大統領、金正恩委員長に「いかれた若造」…圧迫・言葉の爆弾・交渉の声が交差

登録:2017-12-01 02:16 修正:2017-12-01 08:42
対北朝鮮追加金融制裁を近日中に発表する見込み 
投票権など国連加盟国の権利剥奪も 
トランプ大統領、金正恩委員長に「いかれた若造」 
ヘイリー国連大使は「北朝鮮の完全破壊」 
専門家・民主党、北朝鮮との直接対話求める
ドナルド・トランプ米大統領がミズーリ州セントチャールズ・コンベンションセンターで、税制再編について演説を行った後、演壇を後にしながら手を上げている=セントチャールズ/AFP聯合ニュース

 ドナルド・トランプ政権が北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)に対応し、独自制裁や国連安全保障理事会(安保理)の新たな対北朝鮮制裁決議、外交的孤立などを推進している。しばらく姿を消していたトランプ大統領を含めた高官らの「言葉の爆弾」も、再び登場した。

 トランプ政権は早ければ30日(現地時間)、追加的な対北朝鮮金融制裁を発表すると見られる。レックス・ティラーソン国務長官は同日、制裁の焦点が「追加金融機関」に当てられるだろうとして、「我々は潜在的な追加(対北朝鮮)制裁についての長いリストを持っている」と説明した。

 安保理では、対北朝鮮石油供給中断と共に「海上輸送の遮断」を推進している。 ティラーソン長官は28日の声明で「北朝鮮を出入りする物品の海上輸送を遮断する権利」に言及した。米国務省のヘザー・ナウアート報道官は29日、海外メディアを対象にした記者会見で、「(海上輸送を遮断する)具体的内容は、まだ議論中」だとし、「新しい次元の海上輸送の遮断が出るものとみられる」と述べた。これと関連し、韓国政府関係者は「北朝鮮を訪問した船が他の国に行けなくすることの可能性があり、ネオコン時代の『大量破壊兵器拡散防止構想』(PSI)もあった」としたうえで、「米国も具体的案を持っていないようだ」と話した。

北朝鮮が29日付の労働党機関紙「労働新聞」を通じて公開した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星-15型」の試験発射の様子。金正恩労働党委員長が発射の場面を眺めている//ハンギョレ新聞社

 外交的孤立と関連して、ニッキー・ヘイリー国連大使はこの日の安保理の緊急会で「すべての国連加盟国は、北朝鮮との外交関係を断絶し、軍事・科学・技術・商業協力を制限しなければならない」と主張した。特に、ヘイリー大使は「投票権を含め、北朝鮮の国連加盟国としての権利と特権を取り上げるべきだ」と主張した。

 刺激的なレトリックも復活した。トランプ大統領は同日午後、ミズーリ州で開かれた税制改編案に関する演説途中、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長を頭がおかしくなり正常な判断ができない若者を意味する「いかれた若造」(sick puppy)と呼び、嘲弄した。ヘイリー大使も「私たちは北朝鮮との戦争を追求しておらず、今もそうだ」としながらも、「戦争が起きた場合、北朝鮮政権は完全に破壊されるだろう」と警告した。トランプ大統領が今年9月に行った国連総会演説を想起させるためと見られる。

 しかし、トランプ政権の「最大の圧迫」政策が限界にぶつかっている中、北朝鮮と交渉に乗り出すべきとの声もあがっている。

 米国外交に相当な影響力を発揮する米国外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長は同日、インターネットメディア「アクシオス」への寄稿文で「(北朝鮮の)兵器試験を凍結させるための真摯な外交努力が必要だ」と強調した。ハース会長は「トランプ政権は制裁緩和であれ、戦争状態の公式終了であれ、韓米軍事演習の調整であれ、そのような凍結の見返りとして何を提供する用意があるのかを明確にすべきだ」と強調した。ベン・カーディン、エドワード・マーキーなど民主党上院議員も同日、声明を発表し、北朝鮮との全面的な直接外交を求めた。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/821478.html韓国語原文入力:2017-11-30 21:55
訳H.J

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