登録 : 2017.07.27 22:51 修正 : 2017.07.28 07:27

16日、神奈川県川崎市の平和公園で市民たちが「共に幸せに」と書かれた横断幕を持ってヘイトスピーチ反対デモを行っている=川崎/チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社
 「ついに本格的なヘイトスピーチを見ることになるんだな」

 今月中旬、知人との夕食の席で川崎市でヘイトスピーチが開かれるという話を聞いた。東京から電車で40分ほどの神奈川県川崎市は在日同胞が多く暮らす都市で、「ニューカマー」(1980年代以後に日本に来た韓国人)がたくさん暮らす東京の新大久保とともに、昨年嫌韓デモの主な舞台になった所だ。昨年、日本政府が処罰規定のない理念法だがヘイトスピーチ防止法を制定して以来、ヘイトスピーチは開かれなくなった。ニュースを伝えてくれた韓国人教授は、在日同胞が心配しており日本の市民たちが反対集会を開く計画があるということを伝えながら心配そうな表情をした。今月16日、ヘイトスピーチが予定された川崎市の平和公園に重い気持ちで行った。

 しかし、結果的にはこの日ヘイトスピーチを自分の目でしっかり見ることはできなかった。午前9時30分頃に平和公園に到着してみると、ヘイトスピーチに反対する市民たちが公園の周辺を取り囲んでいた。日本の差別問題を長く取材してきた独立ジャーナリストの安田浩一氏、沖縄の米軍基地問題を取材して警察に連行された経歴のある写真家の島崎ろでぃー氏が現場で取材していた。日本各地から集まった市民が歩道を埋め尽くし、なかなか前に進めなかった。

16日、神奈川県川崎市の平和公園近隣路上で警察がヘイトスピーチ反対デモに集まった市民に対して交通統制をしている=川崎/チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社
 午前11時頃、ヘイトスピーチ集会を申告した集団が現れたが、大部分の市民がヘイトスピーチをする彼らに対抗するために詰め寄った時は、すでに彼らは退散した後だった。先頭に立った市民が立ちはだかると、ヘイトスピーチを企画した極右団体の人々は数メートル前進することすらできずに急いで立去ったためだ。ヘイトスピーチをしに来た彼らは、横断幕を広げたものの、彼らが叫ぶ声は反対する市民の声に遮られ、まったく聞こえなかった。ろでぃー氏のカメラに収められた写真を拡大してみて、彼らが「日本の主権を守れ」のような字句が書かれた横断幕を拡げたという事実を初めて確認できた。ヘイトスピーチの現場をしっかり見ることができず多少虚しい思いはあったが、心がなごんだ一日だった。

 ヘイトスピーチ防止法の制定以後、日本でヘイトスピーチはますます巧妙になっている。法に直接抵触しかねない露骨な言葉は公共の場所ではできるだけ使わない代わりに、「反日勢力が日本人を差別している」という奇怪な表現を持ち出すような形だ。今年3月、東京YMCAで「世界慰安婦博物館」が開いた会議を、拡声器を動員して妨害した日本人たちも「慰安婦はねつ造」のような露骨な表現は使わなかった。彼らは「うちのおじいさんがそのようなひどいことをしたと(日本人が)話すとは恥ずかしくないのか。北朝鮮や韓国に行ってしまえ」と話した。法に明確に抵触するような発言を公共の場所で吐き出すことは回避する指向を見せる。

 川崎市を含めて地方自治体ではヘイトスピーチと見られる集会を基本的に許可しない条例の制定を推進している。制度的補完がなされれば、露骨なヘイトスピーチは一層減るように見える。

チョ・ギウォン東京特派員//ハンギョレ新聞社
 だが、ヘイトスピーチを法と制度だけで完全に防ぐことは容易でない。川崎市でヘイトスピーチをした彼らも、官庁に対してはヘイトスピーチはしないと申告した。他人に対する差別と嫌悪がはびこる社会の雰囲気と、これを利用する勢力がいる限り、ヘイトスピーチは多様な姿で現れる。

 真夏の蒸し暑さの中で公園を守った市民の良心が、結局はヘイトスピーチ、そして他人に対する嫌悪と排除を阻む最後の盾になることを信じる。

チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-07-27 18:33
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/804600.html 訳J.S(1594字)

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