登録 : 2017.04.24 02:26 修正 : 2017.04.24 07:03

 毎年この時期になると、北朝鮮と韓米の間には例のチキンゲームが繰り広げられてきた。それに米国の政権交代が重なり、ゲームはいよいよ佳境に入った。第1次バラク・オバマ政権の発足当時には、北朝鮮の2回目の核実験が、第2次政権発足の際には3回目の核実験が、チキンゲームの緊張を高めた。ドナルド・トランプ政権の発足後も、例外なくチキンゲームが展開されている。

 今回対戦する2人のライバルはチキンゲームの達人たちだ。だからこそ、このようなチキンゲームの極致が演出されている。金正恩(キム・ジョンウン)は例の「瀬戸際戦術」に基づき、6回目の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を推し進めようとしている。トランプは特有の不確実性を武器にできるだけ「気が狂ったかのような」動きを示している。いきなりミサイルでシリアを爆撃したかと思うと、アフガニスタンにあるイスラム国(IS)の根拠地も爆撃した。朝鮮半島に空母を出動させ、先制攻撃の雰囲気を最高潮まで盛り上げた。北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイルを発射を行えば、容赦なく攻撃する態勢だ。

 ゲーム第1ラウンドの結果は、金日成(キム・イルソン)主席生誕105周年記念日を機に判明した。北朝鮮が同日、予測されていた通り6回目の核実験を強行したらどうなっただろう。たとえトランプといえども、20万人に達する韓国在住の自国民の生死まで無視して、朝鮮半島という薬庫に火を付けるのは、容易ではなかったはずだ。だとして、国連安保理に付託して制裁決議を行うパターンを繰り返せば、第1ラウンドはトランプの失点で終わるだけではなく、金正恩にかなり多くの点数を奪われる結果となっただろう。トランプにとってはさらなる悪夢になりかねない。幸い、トランプのいう通り、北朝鮮の核実験のようなものはなかった。これから第2ラウンドはどのような展開になるだろうか?

 政権を握ってからわずか数カ月の間に、トランプ政権の国防長官、国務長官、副大統領が相次いで韓国を訪れた。北朝鮮の核・ミサイル問題がトランプの外交で優先順位の上位にあることを裏付けている。オバマ政権の8年間、4回にわたる北朝鮮の核実験にも微動だにしなかった米国だ。北朝鮮がこれまで寝ても覚めても望んでいた米国の“関心”が再び注がれているのではなかろうか。

 北朝鮮は、発足3カ月のトランプ政権が北朝鮮の戦略的地位についてあまりにも無知だと言ってきた。無知だからこそ、先制攻撃のような無謀なことを強行する可能性があるかもしれない。北朝鮮は今、6回目の核実験を行い、大陸間弾道ミサイルを発射を成功させて米国本土攻撃能力を身につければ、米国が結局“屈服”せざるを得ないと信じている。「強硬対超強硬」こそが米国に勝つ秘法だと、(彼らは)考えている。それが北朝鮮の言う通り「怖いもの知らず」のトランプに通じるだろうか? ただでさえ「狂人」と呼ばれるトランプだ。その下の国防長官はあだ名が「狂犬」だ。本当に北朝鮮の「戦略的地位」を「取るに足らないもの」だと思っていたら、どうなるのだろう。

 トランプが「狂人」なのか、それとも大知は愚の如し(大智若愚:本当の賢者はむやみ に自分の知識をひけらかしたりしないから、一見すると愚か者に見える)なのかは、まだ分からない。確かなのは、北朝鮮の核問題解決への意志を、どの大統領よりも強く示しているということだ。いつになく中国との関係を北朝鮮核問題に結び付けている理由でもある。もしかしたら、トランプは中国と前例のない形で協力を推進するかもしれない。それだけ米中共に北朝鮮核問題が臨界点に到達したと信じているからだ。

金景一北京大学教授//ハンギョレ新聞社

 トランプは大統領選挙の時から執拗に中国を北朝鮮の核問題に結び付けてきた。中国が北朝鮮の核問題を解決しなければ、貿易戦争も辞さないと公言した。実際、中米間に貿易戦争が起これば、中国経済は天文学的な損失を被ることになる。米国が「セカンダリー・ボイコット」を実施するだけでも、中国はとてつもない損失を甘受しなければならない。執権後にもトランプは中国に対する圧迫を執拗に北朝鮮の核問題に結び付けている。結局、北朝鮮の核問題は今や朝米間の対立を越えて、中米対立の中核に浮上した。

 トランプが中国に対する牽制のため北朝鮮核問題にアプローチしているのか、それとも中国との協力を北朝鮮核問題を解決する過程で具現化しようとしているのかは、まだ分からない。確かなのは、習近平やトランプが互いを理解しようとしており、互いを説得して接点を探しているということだ。目標は(北朝鮮核問題の)平和的解決である。結局、チキンゲームがもたらした最大の危機が最大の機会になるかもしれない。

金景一・北京大学教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-04-23 18:55
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/791895.html 訳H.J(2082字)

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