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[寄稿]ろうそくが消えつつある中で利益集団がやって来る

登録:2017-04-19 00:23 修正:2017-04-19 07:42

 まだ選挙運動も初期なのに、強力な利益集団はすでに大統領選挙後の韓国の未来勢力として登場したようだ。朴槿恵(パク・クネ)-チェ・スンシルゲートも、突き詰めれば影の実力者チェ・スンシルによる国政壟断というよりは、朴槿恵(パク・クネ)政権が全経連(全国経済人連合会)を通じてサムスンなど4大財閥の嘆願処理機構の役割をしたということがその核心ではないか?

第19代大統領選挙候補らが提出した選挙ポスターを18日午後、ソウル鍾路区臥龍洞のソウル市選挙管理委員会で職員たちが見ている。今回の選挙には歴代最も多い15人が候補に登録した= キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補が、私立幼稚園の園長たちの前で「大型単設幼稚園(公立)の新設を自制する」と発言した以後に世論の反発が強まると、マスコミが単設を「併設」と誤って報道したと弁明はしたが、彼のその後の発言を聞いてみると「単設幼稚園を作れば…周囲の私立幼稚園が門を閉めなければならない境遇を考慮しなければならない」という国民の党のチェ・ドジャ議員の立場を言い換えたものであることが確認された。国公立幼稚園が全体の20%に達しない国で、公共保育を拡充して若い夫婦の苦痛を減らし、少子化問題解決のいとぐちを開いてもなお不十分な時に、私立幼稚園の園長の「嘆願」を解決すると話したことに他ならない。

 それはミスではなく所信であるようだ。彼の「規制フリーゾーン」政策は「規制は癌」という朴槿恵(パク・クネ)大統領の政策を言い換えたものだ。セウォル号惨事も調べてみれば李明博(イ・ミョンバク)政権の船舶規制緩和に始まったことではなかったか?ところで、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補キャンプはそれとは違うだろうか?文在寅側が「循環出資解消」公約を撤回したのを見れば、財閥大企業の影響が深く入り込んだようだ。

 まだ選挙運動の初期なのに、強力な利益集団はすでに大統領選挙後の韓国の未来勢力として登場したようだ。朴槿恵-チェ・スンシルゲートも突き詰めれば影の実力者チェ・スンシルによる国政壟断というよりは、朴槿恵政権が全経連(全国経済人連合会)を通じてサムスンなど4大財閥の嘆願処理機構の役割をしたということがその核心ではないか? 財閥企業、民間病院、保険会社、私立大学、私立幼稚園、各種の専門職協会など韓国社会の強大な利益集団は、その財力と組織力を使って大型ローファーム、検察と司法府、与野党政治家を動かしてどんな改革案でも挫折させる力を持っている。

 前回の特検の2015年、サムスン物産の合併調査過程でサムスン未来戦略室のチャン・チュンギ社長は、2015年10月から1年間にアン・ジョンボム元大統領府政策調整首席秘書官と94回通話したという事実が明らかになったし、監査院人事にも介入したという。おそらく政府のすべての政策が彼らの利害関係事案だったためであろう。

 これらの巨大利益集団の目標は明確だ。教育、住宅、医療部門を「可能な限り市場に任せよう」という論理を動員し、自らの食い扶持を確保することだ。すでに外国為替危機以後の20年間、韓国社会の多くの公共部門が民営化されたり、公共部門の拡大が一貫して阻止されて、庶民の負担は増えるだけ増えた状態だ。韓国の経済規模は先進国の入り口にあるが、社会のすべての指標は未だ後進国水準に留まっている。教育と住宅が代表的だ。この二つの領域で韓国は公共部門が最も脆弱な米国、英国などアングロサクソン型資本主義国家よりさらに市場依存的だ。韓国の国民は幼稚園と大学で教育費をほとんど自費で負担しなければならず、賃貸住宅の比率も経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でほとんど最下位水準なので、住居は“個人能力”で解決する問題だ。

 強力な利益集団は公共支出にきわめて敵対的だ。彼らは保守メディアと学者を動員し、規制緩和と市場の効率性をまき散らし、大型ローファームに布陣した元高位官僚と判検事を動員して彼らの利益を保障できる法案を提案する。もちろん多元主義社会で彼らの合法的影響力の行使自体を防ぐことはできない。しかし、今回の朴槿恵-チェ・スンシルゲートのような不法ロビーや政経癒着は反則だ。ところが深刻な反則を犯した全経連が自主解散を拒否した。

キム・ドンチュン聖公会大NGO大学院長、新たな百年研究院長//ハンギョレ新聞社

 今はろうそくが消えつつあるので彼らがやって来る。いや、彼らはすでにすべての所に深く入って来ている。政治指導者や政党が確固たる哲学とビジョン、政治力、そして社会的基盤がなければ、彼らの執拗なロビーと宣伝にそのまま乗せられることになるだろう。私たちは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権初期のサムスンのロビーが政府の経済政策をどのように左右したかについてすでに知っている。財閥の論理に体系的に反論できる報道機関と民間研究機関、大型ローファームに対抗できる法律家団体、そして政権と彼らの癒着を告発し、国民多数の要求を提出する市民社会団体が一層切実に要請される。

 今、大統領選挙局面のすべての候補は、自身が国民の味方であり、自身が執権すれば世の中を変えることができると言う。彼らの思いと意志は信じたい。しかし私たちは、“組織されない”国民は組織された利益集団には対抗できないという冷厳な現実の上に再び立っている。

キム・ドンチュン聖公会大NGO大学院長、新たな百年研究院長

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/791280.html 韓国語原文入力:2017-04-18 18:58
訳J.S(2214字)

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